・炒め物に使える健康にいい料理用の油はどれ?
・健康に良い料理用の油はどう選べばいい?
・料理に油を使う時に健康に良い使い方ってあるの?
こういったお悩みに答えます。
目次
・健康に良い料理用の油は使い方と油の種類で分かれる
・[目的別] そのまま、炒めもの、揚げ物に使える健康に良い料理用の油
・油を使って料理をする時に健康のために気を付けたいこと
健康にいい料理用の油が欲しいけど、いつも食べてる料理が美味しく作れるオイルが欲しいですよね。この記事では、健康に良い料理に使える油を調べた結果をまとめて解説します。
健康に良い料理用の油は使い方と油の種類で分かれる
その1:健康に良いオイルは人によって違う
健康に良いと言われているオイルは沢山ありますが、どれが健康に良いオイルかは人によって異なります。
理由は、油はバランスよく摂る必要がある栄養なので、どんなものを食べているかで人によって油を摂っているバランスが違うからです。
例えば、1日に必要なオメガ6とオメガ3の量は摂れていてもトランス脂肪酸とオメガ6が多い人の場合は、オメガ6と飽和脂肪酸を減らしてオリーブオイルやマカダミアナッツオイルを食べた方が良いです。
オリーブオイルやマカダミアナッツオイルに含まれるオレイン酸やパルミトレイン酸は身体に害が少ないオイルなので、オメガ6とオメガ3以外に不足している油を摂る時に良いです。
トランス脂肪酸・飽和脂肪酸・オメガ6を多く摂っていてオメガ3の量が少ない人の場合は、オメガ3の含まれているものを食べながら、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸などの身体に悪い油と摂りすぎているオメガ6を減らして、オメガ3以外の不足している油を摂る必要があります。
油を摂るバランスは、油全体の量は1日の総カロリーの20%~30%、飽和脂肪酸は1日に必要な総カロリーの7%未満、オメガ3とオメガ6は1:1~1:4、が良いと言われています。オメガ6の量は、18歳以上の女性は7g~8g、18歳以上の男性では8g~11g、が目安量になります。
これを1日の総カロリーが2000kcalの人に例えると、1日に食べる油全体の量は66.7g、飽和脂肪酸は約15.6g未満、オメガ3とオメガ6を1:2で摂る場合はオメガ3は約4g、オメガ6は約8g、一価不飽和脂肪酸は約39.1gになります。
どんなバランスで油を摂っているかで健康に良い油は変わります。どんな油が自分に合った健康に良い油か気になる方は、別の記事で健康に良い油の選び方を解説しているのでそちらもご覧ください。
健康に良い油の選び方に興味のある方は、こちらをご覧ください。<[解説]健康に良い油はどう選んだらいい?健康に良い油の選び方>
その2:油には加熱に強いもの、弱いものがある
油には、揚げ物にも使える加熱に強い油、熱に弱く酸化しやすい油、フライパンの加熱でも大丈夫な油でも揚げ物には使わない方が良い油があります。
似たような成分を含むオイルでもオイルに含まれる油と栄養が違い、油自体は加熱できる種類だけれど、加熱してしまうとオイルに含まれる栄養が壊れるので加熱しない方が良いものもあります。
どんな調理方法をするかで使える油が違うので、油を使う時は調理方法に合わせて使う油を変えた方が良いです。
例えば、エクストラバージンオリーブオイルに含まれる油自体は炒め物に使えるくらい熱に強いですが、油に含まれている栄養のクロロフィルは加熱に弱いので、オイルはサラダなどでそのまま食べた方が良いです。
米油はオイルに含まれる油自体が加熱に強く、油から煙が出るまでの温度が高く、ビタミンEを多く含んでいるので揚げ物にも使えます。
オイルから煙が出る温度まで加熱するとオイルの中の油の酸化が早くなるので、オイルが加熱調理に使える温度は煙が出る温度以下になります。
オイルによって調理に使える温度が違うので、えごま油やアマニ油はそのまま食べて、炒め物はマカデミアナッツオイルを使うなど料理する時の温度に合わせて油は使い分けた方が良いです。
調理方法別の健康に良い油については別の記事で解説をしているので、興味のある方はそちらをご覧ください。
調理方法別の健康に良い油について興味のある方は、こちらをご覧ください。<健康に良い調理用の油はどれ?調理用に良い油を調べた結果のまとめ>
その3:料理や好みによって使える油も変わる
料理には、イタリア料理、和食、中華などがありますが、オイルには香りやクセがあったりするものがあります。
オイルを料理に使う場合は、つくる料理に合わせてオイルを変えた方が良いです。例えば、マカダミアナッツオイルは甘くて優しいナッツの香りがするので、鶏肉を使った洋食には良いですが、和食には合いません。
エクストラバージンオリーブオイルは、イタリア料理にはよく合いますが、焼き菓子をつくる時には香りが強いのでやめておいた方が良いです。
中華の場合は、マカダミアナッツオイルよりごま油を使った方が香りが良く美味しく出来上がります。和食の場合は、素材の香りを活かして作れるように米油を使った方が良いです。
料理を美味しく作りたい場合は、それぞれの料理でどんな調理方法で作るかで使える油も変わるので、目的に合わせて油を選んだ方が良いです。
そのまま食べる場合でも、人によってはナッツの香りが好きな人もいれば嫌いな人もいます。苦手なオイルだなと思ったら、使いやすいオイルに変えた方が良いです。
[目的別]料理用の健康に良いおすすめの油
その1:そのまま食べたり、ドレッシングに使えるおすすめの油
オメガ3を多く摂りたい人
・えごま油(発煙点:約110℃)
向いている料理:かけて食べる、ヨーグルトに混ぜる、ほうれん草のおひたし、サラダドレッシング、カルパッチョ、マリネ、など
相性のいい食材:卵、納豆
・アマニ油(発煙点:107℃)
向いている料理:かけて食べる、ヨーグルトに混ぜる、ドレッシング、サラダドレッシング、おひたし、鶏や魚の南蛮漬け
相性のいい食材:鶏肉
オレイン酸やパルミトレイン酸を多く摂りたい人
・エクストラバージンオリーブオイル(発煙点:160℃)
向いている料理:かけて食べる、冷製パスタ、ドレッシング
・マカダミアナッツオイル(発煙点:160℃)
向いている料理:アイスクリームやグラノーラにかけて食べる、ドレッシング、ホットココアやカフェオレに入れて飲む、ヨーグルトに混ぜる
相性のいい食材:鶏肉、ブロッコリー
・ヘーゼルナッツオイル(発煙点:221℃)
向いている料理:バンバンジーのたれ、ホットココアやカフェオレに入れて飲む、ヨーグルトに混ぜる
オメガ6を多く摂りたい人
・ごま油(発煙点:160℃)
向いている料理:かけて食べる、バンバンジーのたれなどの中華、ドレッシング、和え物、マリネ、
その2:焼き物、炒め物に使えるおすすめの油
オメガ3を多く摂りたい人
・カメリナオイル(発煙点:246)
調理に使える温度:強火(200℃~230℃)
向いている料理:炒め物
オレイン酸やパルミトレイン酸を多く摂りたい人
・ヘーゼルナッツオイル(発煙点:221℃)
調理に使える温度:強火(200℃~230℃)
向いている料理:鶏肉を使った洋食の炒め物、バンバンジーのたれ、野菜炒め、
相性のいい食材:レモンなどの柑橘類、
・アボカドオイル(発煙点:271℃)
調理に使える温度:強火(200℃~230℃)
向いている料理:ソテーやムニエルなどの洋食、野菜炒め
相性のいい食材:エビ、きのこ類
・マカダミアナッツオイル(発煙点:186℃)
調理に使える温度:弱火(180℃まで)
向いている料理:鶏肉を使った洋食の炒め物、
相性のいい食材:鶏肉、ブロッコリー
・エクストラバージンオリーブオイル(発煙点:160℃)
調理に使える温度:弱火(150℃まで)
向いている料理:イタリア料理、
相性のいい食材:貝類、きのこ類
オメガ6を多く摂りたい人
・米油(発煙点:232℃)
調理に使える温度:強火(200℃~230℃)
向いている料理:イタリア料理、和食、中華
相性のいい食材:貝類、豚肉、鶏肉
・ごま油(発煙点:177℃)
調理に使える温度:中火(180℃まで)
向いている料理:きんぴらごぼうなどの和食、餃子などの中華
相性のいい食材:豆腐
・ウォールナッツオイル(発煙点:160℃)
調理に使える温度:弱火(150℃まで)
向いている料理:ミネストローネ、フルーツのソテー、パウンドケーキなどの焼き菓子
相性のいい食材:リンゴやバナナなどのフルーツ、
・グレープシードオイル(発煙点:216℃)
調理に使える温度:強火(200℃~230℃)
向いている料理:チキンソテーなどの洋食、和食、中華
相性のいい食材:トマト、チーズ
その3:200℃の高温の揚げ物におすすめの油
・アボカドオイル(発煙点:271℃)
・カメリナオイル(発煙点:246℃)
・米油(発煙点:232℃)
・ヘーゼルナッツオイル(発煙点:221℃)
・グレープシードオイル(発煙点:216℃)
油を使って料理をする時に健康のために気を付けたいこと
その1:オイルはキッチンなどの温度の高いところに置かない
料理をする時にキッチンにオイルを出しておくとすぐに使えて便利ですが、オイルは熱で酸化しやすいので使う分だけ取り出したら冷暗所で保管した方が良いです。
オイルによっては20℃を超えると油が酸化しやすくなるオイルもあるので、できれば冷蔵庫で保管し、必要な分だけ取り出して使う方が良いです。
えごま油やアマニ油などは酸化しやすいので、冷蔵庫で保管した方が良いですが、冷蔵庫に保管できる場所がない時は冷凍庫で保管すると良いです。
理由は、えごま油やアマニ油は家庭用の冷凍庫では凍らないほど寒さに強いオイルで、冷凍庫で保管した方が酸化が少ないからです。
もし、冷凍庫に入れて凍ってしまうオイルがあったら、中に入っている成分がえごま油やアマニ油ではない可能性を疑った方が良いです。
実際に冷凍庫で低温圧搾法でつくられたえごま油やアマニ油を保管して使っていますが、家庭用の冷凍庫の温度では凍りません。
その2:炒め物などの料理する時は、低温で調理する
フライパンなどで炒めものをする時は、できれば油は使わない方が良いです。理由は、油は加熱すると酸化しやすく、料理をしている間に加熱した油から有害物質がでてくるからです。
油がなくても、少量の水を加えて作れば炒め物はつくれます。油を使って炒め物をしたい場合は、弱火で調理した方が良いです。
フライパンは強火で加熱すると1分以内に表面の温度が200℃近くまであがります。中火でも1分もあれば160℃以上の温度になるので、160℃以上の高温でも使えるオイルを使っても酸化しやすく調理中にできる有害物質も発生しやすいです。
調理中にできる有害物質は、油から煙が出る温度になる前から発生します。加熱に強いと言われているごま油でも177℃以上になるとオイルから煙が出て油の酸化が早くなります。
油を使って加熱調理したい場合は、中火まで加熱に強い米油、マカダミアナッツオイル、ごま油を使って低温で炒めものをした方が良いです。
調理方法別の健康に良い油については別の記事で解説をしているので、興味のある方はそちらをご覧ください。
調理方法別の健康に良い油に興味のある方は、こちらをご覧ください。<健康に良い調理用の油はどれ?調理用に良い油を調べた結果のまとめ>
その3:酸化した油は使わない
酸化した油を料理に使うと更に酸化が進んだ健康に悪い油を食べることになるのでやめた方が良いです。
長期間使っていない油、賞味期限の切れた油の場合は、色が濃い、油にトロッとした粘り気がある、油から油っぽいなどの嫌なにおいがする、加熱した時に出た泡が消えない、のどれか1つでも当てはまるオイルは捨てた方が良いです。
揚げ物で使ったオイルを他の料理や揚げ物に再利用するのはやめた方が良いです。
油は熱・光・空気に触れると酸化しやすく、揚げ物に使った油は色が濁っていなくても酸化しています。
酸化した油は少量でも長期間食べ続けると小腸、肝臓、その他の臓器に油の分解や酸化した油の害で負担をかけることになります。
酸化した油を長期間食べ続けると、シミ、シワ、脳梗塞、心筋梗塞などになる可能性が高くなるのでやめた方が良いです。
短期間でも食べる量が多いと、胃もたれ、下痢などになることもあります。酸化した油は、使わずに処分した方が良いです。
酸化した油の健康への影響については、別の記事でまとめて解説しているので興味のある方はそちらをご覧ください。
酸化した油の健康への影響に興味のある方は、こちらをご覧ください。<酸化した油は健康に悪い!食べてはいけない理由と見分け方を解説>
まとめ
健康に良い油でも料理する時の温度によっては酸化しやすいので、オイルはできれば加熱して食べない方が良いです。
加熱する場合は低温で調理するのも良いですが、料理を作っている時に最後の仕上げにオイルを入れて少しなじませて料理を作ると、油の酸化を抑えながら美味しく作れます。炒め物に使える温度の油でも加熱すれば有害物質もでてくるので、料理をする時は換気もした方が良いです。
この記事では、料理用の油の使い方と油の種類、目的別の健康に良い料理用の油、油を使う時に気を付けたいこと、をまとめて解説しました。
他の記事では、健康に良いオイルや健康に良いオイルの選び方について解説していますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
健康に良いオイルに興味のある方はこちらをご覧ください。<健康に良いオイルをお探しですか?健康に良いオイルは5種類を解説>
健康に良いオイルの選び方に興味のある方はこちらをご覧ください。<[解説]健康に良いオイルの選び方~基本は3つの条件で選ぶ~>
参考文献:
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
植物油の事典/山田豊文/株式会社 毎日コミュニケーションズ
知識ゼロからの健康オイル/井上浩義/株式会社 幻冬社
グリーンナッツオイルの加熱および保存特性と調理への応用