オイル・油 健康

サバの油は健康に良い?サバが健康に良いのか調べた結果のまとめ

 

 

 

・サバの油って健康に良いの?

・サバの油以外にどんな種類の油が入っているの?

・食べない方が良いサバはある?

 

こういった悩みに答えます。

 

 

 

目次

・サバの油が他の肉類や魚と比べて健康に良い

・サバの種類別の栄養と健康効果

・健康に良いサバと食べない方が良いサバ

 

 

 

サバの水煮缶が健康に良いとちょっとしたブームになったことがあるけど、サバの油は健康に良いか気になりますよね。この記事では、サバの油が他の魚や肉類と比べて健康に良いのか調べた結果をまとめて解説します。

 

 

 

サバの油が他の肉類や魚と比べて健康に良い

 

 

その1:牛肉、豚肉、鶏肉よりもサバの油は健康に良い

 

サバ、皮下脂肪なしの和牛のランプ、脂身付きの豚のロース、皮付きの鶏のもも肉を比べてみると、サバには肉類と比べて一価不飽和脂肪酸とオメガ3が多く含まれています。

一価不飽和脂肪酸は身体に害が少ない種類の油で身体の中でつくることもできます。オメガ3は身体の中でつくれない油で細胞膜の柔軟性や炎症を抑える物質の材料に使われてるので、食べ物から摂る必要がある油です。

オメガ6という油も身体の中でつくれない油なので食べ物から摂る必要がありますが、オメガ3とオメガ6は1:1~1:4の間で摂る必要があり油です。

オメガ6は肉類のでは鶏肉に多く含まれていて、鶏肉以外ではマヨネーズ、ごまドレッシング、オールドファッション、アップルパイ、豚のロースとんかつなどにも含まれています。サバよりも肉類には飽和脂肪酸やオメガ6が多く含まれています。

オメガ6も飽和脂肪酸も摂りすぎると脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が高くなります。飽和脂肪酸は人間の身体の中でもつくりだすことができる油なので、食べなくても良いと言われています。

オメガ6は1日約8gが食べる時の量になるので、8g以上食べると食べすぎになります。飽和脂肪酸は食べる量を控えたい油なので、健康に良い油が含まれた食材を食べたい時は、サバを食べた方が良いです。

 

 

 その2:サバの油とサーモンの油を比べるとサバの方が健康に良い

 

サバとサーモンを比べるとサバの方が100g当たりに含まれる油の量が多いですが、オメガ3と一価不飽和脂肪酸の量が多いです。

サバの中でも油が多いのは大西洋サバです。大西洋サバに含まれる油は、全体の油の量は26.8、飽和脂肪酸の量は4.31g、オメガ6は0.68g、オメガ3は5.88g含まれています。

サーモンの中で油が多いのはアトランティックサーモンです。アトランティックサーモンに含まれる油は、全体の油の量は16.1g、飽和脂肪酸の量は3.16g、オメガ6は0.54g、オメガ3は3.24g含まれています。

大西洋サバとアトランティックサーモンを比べてみると、サバの方がオメガ3と一価不飽和脂肪酸が多く、飽和脂肪酸の量は1gくらいしか差がないです。

大西洋サバに含まれるEPAの量はアトランティックサーモンの約2倍、DHAは約1.6倍の量が含まれています。

大西洋サバを焼き魚にした場合でも生のアトランティックサーモンよりもDHA・EPAが多いです。

サバを使った食品の中で生のアトランティックサーモンとDHA・EPAの量が近いのはサバの水煮缶ですが、サバの水煮缶はサバを使った食品の中で一番DHA・EPAの量が少ないです。

サーモンが健康に良いと言われていますが、健康に良い油が多いものを食べたい場合はサーモンよりサバの方が良いです。

 

 

その3:水煮缶ではサーモンよりもサバの方が健康に良い油が多い

 

サーモンの水煮缶とサバも水煮缶を比べると飽和脂肪酸の量には大きな差はないですが、サバの方がオメガ3もDHA・EPAの量も多いです。

サバの缶詰の中でもDHA・EPAの量が少ない水煮缶とサーモンの中では一番DHA・EPAの量が多いカラフトマスの水煮缶を比べると、サバの方が1.8倍くらいDHA・EPAが多く含まれています。

サバの缶詰の中でDHA・EPAを多く含んでいるサバのみそ煮缶とからふとますの水煮缶を比べると、サバの溝に缶にはEPAは約1.7倍、DHAは約2.8倍も多く含まれています。

サバのみそ煮缶のオメガ3の量はカラフトマスの水煮缶の約2倍です。DHA・EPAが多く摂れる缶詰を選ぶなら、サーモンの水煮缶よりはサバの水煮缶の方が良いです。

 

 

 

サバの種類別の栄養と健康効果

 

 

その1:サバの種類別の栄養

 

サバは、マサバ、ゴマサバ、大西洋サバの3種類があります。サバの中で油が多く含まれているのは大西洋サバですが、飽和脂肪酸が少なく、アトランティックサーモンよりもオメガ3と一価不飽和脂肪酸が多く含まれています。

サバに含まれる栄養には、鉄、ビタミンB12や葉酸などのビタミンB群があり、サーモンよりも多く含まれていています。

貧血予防や疲労回復に役立つビタミンB群を摂る場合は、アトランティックサーモンよりも大西洋サバを食べた方が良いです。

 

大西洋サバ(別名:ノルウェーサバ、アトランティックマッカレル)

大西洋サバの栄養

炭水化物 0.4g

たんぱく質 17.2g

非必須アミノ酸 約8.87g

必須アミノ酸 約8.33g

脂質 26.8g

飽和脂肪酸 4.31g

一価不飽和脂肪酸 10.29g

オメガ6 0.68mg

オメガ3 5.88g

DHA 2300mg

EPA 1710mg

鉄 0.9mg

ビタミンB12 8.1㎍

葉酸 12㎍

塩分 0.3g

※生の可食部100gの栄養です。

 

ゴマサバ

ゴマサバの栄養

炭水化物 0.3g

たんぱく質 23g

非必須アミノ酸 約11.59g

必須アミノ酸 約11.41g

脂質 5.1g

飽和脂肪酸 1.2g

一価不飽和脂肪酸 0.87g

オメガ6 0.26g

オメガ3 1.21g

DHA 1069 mg

EPA 239mg

鉄 1.6mg

ビタミンB12 12.6㎍

葉酸 10㎍

塩分 0.2g

※生の可食部100gの栄養です。

 

マサバ

マサバの栄養

炭水化物 0.3g

たんぱく質 20.6g

非必須アミノ酸 約10.28g

必須アミノ酸 約10.32g

脂質 16.8g

飽和脂肪酸 4.57g

一価不飽和脂肪酸 5.03g

オメガ6 0.43g

オメガ3 2.12g

DHA 970 mg

EPA 720mg

鉄 1.2mg

ビタミンB12 12.9㎍

葉酸 11㎍

塩分 0.3g

※生の可食部100gの栄養です。

 

 

その2:サバを食べるメリット・デメリット

 

メリット

サバを食べるメリットは、貧血予防に役立つ栄養を摂れること、DHA・EPAなどの健康に良いオメガ3を摂れることです。

貧血予防に役立つ栄養には、たんぱく質、鉄、ビタミンB12、葉酸などがあります。たんぱく質と鉄はヘモグロビンをつくる時に必要になり、赤血球を作るにはビタミンB12と葉酸が必要です。

貧血の原因には、鉄が不足しているというのもありますが、鉄だけ摂っても赤血球を作る材料が足りなければ貧血になることもあります。

サバには、たんぱく質、鉄、ビタミンB12、葉酸が含まれているので、貧血予防に役立ちます。DHA・EPAはオメガ3と呼ばれる油で身体の中でつくりだすことができないので食べ物から摂る必要があります。

オメガ3の油の主な種類にはDHA、EPA、αリノレン酸があります。αリノレン酸はフラックスシードやえごまに多く含まれていて、えごま油の場合は約60%含まれています。

オメガ3の油の中でもαリノレン酸は身体の中で分解してDHA・EPAにつくり変えることもできますが、DHA・EPAにできる量には個人差があります。DHA・EPAの摂れる食材が欲しい時は、えごま油を食べるよりもサバを食べた方が良いです。

 

デメリット

サバを食べるデメリットは、サバの種類によっては食べ過ぎるとセレン中毒を起こす可能性がある魚もあること、水銀が多く含まれている種類があることです。

セレンが多い食材を食べすぎるとセレン中毒を起こすことがあります。セレンはブラジルナッツにも含まれていますが、サバにもセレンが含まれているものがあります。

セレンの推奨量は18歳以上の男性では1日30㎍、18歳以上の女性では1日25㎍と言われています。セレンの1日の上限は、18歳以上74歳までの男性では450㎍、18歳以上の女性では350㎍です。

セレンを食べすぎると、下痢、疲労感、爪の変形。脱毛、神経障害などになることもあるので、セレンが多い種類は食べない方が良いです。

水銀は食べ過ぎると腹痛、下痢、頭痛、悪寒、しびれ、めまい、視覚・聴覚異常が起きることもあり、魚を食べる場合は水銀の量が少ないものの方が良いです。

 

対処法

水銀の多い種類はできれば食べるのをやめる、1週間で食べて良い量の上限を守って食べた方が良いです。サバの中でセレンが多く含まれているのは、マサバです。

マサバに含まれるセレンの量は、生の三枚おろしのマサバ100gに70㎍、焼いたマサバ100gに21㎍、マサバの水煮100gに66㎍、含まれています。

マサバの水煮であれば50g、焼いたマサバは150g食べたら1日分のセレンを食べてしまうことになるので、マサバは食べない方が良いです。

メチル水銀の多い種類のサバは、マサバとゴマサバです。メチル水銀には人間が一生食べ続けても健康影響が現れない一週間あたりの摂取量の指標があり、耐容一週間摂取量(PTWI)と言われています。

農林水産省では、メチル水銀の耐容一週間摂取量(PTWI)を体重(kg)×メチル水銀1.6㎍を上限としています。例えば、体重が45kgの人の場合は1週間のメチル水銀の上限は72㎍です。

オメガ3が1日約2g摂れるように毎日サバを食べ続けてもメチル水銀が72㎍以下のサバは、大西洋サバだけです。DHA・EPAを摂るためにサバを食べたい場合は、大西洋サバを選ぶと良いです。

 

 

 その3:サバの缶詰を食べるメリット・デメリット

 

メリット

サバ缶のメリットは、長期保存ができる、鉄・ビタミンB12・葉酸が魚の缶詰の中では多く含まれている、たんぱく質の約48%に必須アミノ酸が含まれていることです。

 

デメリット

サバ缶を食べるデメリットは、サバ缶に使われる原材料の魚に水銀が多く含まれている、イワシの水煮缶や白鮭の水煮缶と比べて塩分が高い、水煮缶は味付きやみそ煮に比べて鉄が少ないことです。

サバ缶の材料には大西洋サバがつかわれているものもありますが、主に使われている種類はマサバやゴマサバです。マサバとゴマサバは水銀の量が多いため、サバ缶はあまり食べない方が良いです。

サバ缶の中では水煮缶が一番塩分が少ないです。サバの水煮缶と他の魚の水煮缶を比べてみると、サバの水煮缶の方が塩分が高いので、塩分が気になる場合は他の魚の水煮缶を食べた方が良いです。

鉄もイワシの缶詰やさんまのかば焼きの缶詰と比べると少ないので、鉄を多く摂りたい場合はイワシの缶詰の方が良いです。

 

対処法

サバの缶詰を食べるのであれば大西洋サバの缶詰をえらんで食べた方が良いです。

大西洋サバは、英語でアトランティックマッカレル、日本のスーパーなどで販売せれる時はノルウェーサバとも呼ばれています。

サバの缶詰で水銀の量が少ない種類のものが欲しい場合は、原材料にノルウェーサバを使っているものを選ぶと良いです。

 

 

 

健康に良いサバと食べない方が良いサバ

 

 

その1:水銀の量が少なく身体に良い油が多いのは、大西洋サバ

 

ビタミンB群や鉄が含まれている魚は他にもありますが、水銀量が少なくDHA・EPAなどのオメガ3を多く含む魚や水煮缶が欲しい場合はノルウェーサバが良いです。特に焼き魚にした場合は、焼いたサンマの皮と身だけ100gと焼いたノルウェーサバの切り身100gを比べると、ノルウェーサバの方がDHA・EPAが多く含まれていて、オメガの量はサンマの2倍以上含まれています。水煮の場合でも焼いたサンマよりもオメガ3が多いので、身体に良い油を摂れる水銀の少ない魚が欲しい時はノルウェーサバがおすすめです。

 

 

その2:食べない方が良いのは、マサバ、ゴマサバ、サバの缶詰

 

マサバ。ゴマサバはノルウェーサバと比べるとオメガ3の量が少なく、水銀が含まれる量も多いので食べない方が良いです。

サバ缶は原材料がノルウェーサバであれば良いですが、原材料のサバがマサバ・ゴマサバなどの場合は食べない方が良いです。

サバの缶詰には原材料がどの種類のサバかわからないものがあります。原材料がどのサバか分からないものは、食べる量を控えた方が良いです。

 

 

 その3:サバを食べる時に気を付けること

 

サバを食べる時は、マサバやゴマサバは食べる量を少なめにすること、缶詰はノルウェーサバのものを選ぶと良いです。

サバを焼くなど調理して食べる場合は、刺身で食べるよりも加熱調理した方がAGE(最終糖化物質)が多くなるので、抗酸化物質を含む食材やビタミンA・ビタミンC・ビタミンEを一緒に摂ると良いです。

AGEは糖とたんぱく質が加熱してくっついてできた老化の原因にもなる物質です。AGEの害を減らす働きのあるものには、抗酸化物質を多く含む食材、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEを多く含む食材、酢やレモンなどクエン酸が含まれるものがあります。

AGEの働きを抑える調理方法には、蒸す、煮るなどがありますが、食材を酢やレモンでマリネしてから焼くとAGEが作られる量を減らすのに役立ちます。加熱調理すると魚の油は焼いた場合は約30%減ってしまうので、焼き魚やフライよりも刺身で食べた方が良いです。

煮魚にする場合は、煮汁に栄養が溶け込んでいるので煮汁も一緒に食べた方が良いです。刺身で食べる場合は、-20℃で24時間以上冷凍されていた刺身用のものを食べた方が良いです。

理由は、魚にはアニサキスという寄生虫が付いていることがありますが、アニサキスの予防には、60℃以上で1分以上の加熱をするか、-20℃で24時間以上は冷凍すると良いと言われています。

家庭用の冷凍庫では-10℃くらいでしか冷凍出来ないので、刺身で食べるもの-20℃で冷凍できる業務用の冷凍庫で24時間以上冷凍されていたものの方が良いです。

 

 

 

まとめ

 

サバやサバの水煮缶に含まれる栄養は健康に良いものもありますが、マサバやゴマサバは水銀が多いです。

健康に良い油や栄養を多く含む食材であっても、食べると身体に良くないものを多く含む食材は食べない方が良いです。

サバの場合はノルウェーサバ以外は食べる量を控えた方が良いです。この記事では、サバの油が他の肉類や魚と比べて健康に良い、サバの種類別の栄養と健康効果、健康に良いサバと食べない方が良いサバ、について解説しました。

他の記事では、健康に良い魚や健康に良い油を含む食材の解説もしているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

 

健康に良い魚に興味のある方はこちらもご覧ください。<現在、執筆中>

 

 

健康に油を含む食材に興味のある方はこちらもご覧ください。<[まとめ]健康に良い油・悪い油を含む魚・肉・ナッツのランキング

 

 

 

参考文献:

厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸組成表編-可食部100g当たり」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成表編-可食部100g当たり」

厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」

-オイル・油, 健康