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健康に良い油ってどんな油?油に含まれる脂質を解説

 

 

 

・健康に良い油を知りたい

・どの種類の油を食べれば良いかわからない

・自分に合ったオイルが欲しい

 

こういったお悩みに答えます。

 

 

 

目次

・健康に良い油はオメガ3、オメガ6、オメガ7、オメガ9

・自分に合った健康に良い油の選び方

・健康に良い油を使う時に気を付けたいこと

 

 

 

 

健康に良い油はオメガ3、オメガ6、オレイン酸、パルミトレイン酸

 

 

その1:オメガ3は人間の身体の中でつくれない必要な脂質

 

オメガ3は、多価不飽和脂肪酸と呼ばれている脂質の一つです。主にサンマ、サバ、タイ、ブリなどの魚に含まれていて、野菜では、ルッコラ、大根葉、小松菜、ほうれん草などに微量に含まれています。

オメガ3は、脳の細胞の膜の材料、細胞膜の柔らかさをつくる、炎症を抑える、血液をサラサラにする、などの役割があります。オメガ3が不足すると、キレやすくなったり集中力が落ちたり、炎症が起きやすくなると言われているため、身体に必要な脂質です。

摂りすぎると血液が固まりにくくなるため、オメガ3はオメガ6とバランスよく摂る必要がある脂質です。

 

 

その2:オメガ6は摂りすぎると害があるけど必要な脂質

 

オメガ6は、多価不飽和脂肪酸と呼ばれている脂質の1つで、細胞膜の硬さをつくる、炎症を起こす、血液を固めるなどオメガ3と正反対の役割をします。

オメガ6の多く含まれる食べ物としては、菜種油、マヨネーズ、お菓子などに多く含まれています。オメガ6を摂りすぎると、アレルギー、肥満、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞、鬱、認知症、肌荒れ、などになる可能性が高くなります。

そのため、オメガ6とオメガ3は1:1~4:1でバランスよく摂ると健康に良いと言われています。

 

 

その3:オレイン酸は健康への害が少ない体内で合成できる脂質

 

オレイン酸は、オメガ9と呼ばれる一価不飽和脂肪酸の種類の1つです。体内でつくることができる脂質ですが、飽和脂肪酸と比べると身体に害が少ないです。オメオレイン酸が多く含まれる食べ物としては、オリーブ、マカダミアナッツなどがあります。腸のぜん動運動を促したり、便秘の解消、血中のコレステロールが下げる効果が期待されている脂質ですが、摂りすぎは太る原因になります。

 

 

その4:パルミトレイン酸は年齢とともに減っていく脂質

 

パルミトレイン酸は、オメガ7と呼ばれる一価不飽和脂肪酸の種類の1つです。体内でつくることができる脂質ですが、年齢とともに身体の中でつくられる量が減っていく脂質と言われています。

パルミトレイン酸の多く含まれる食べ物としては、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツなどがあります。役割としては血管壁の材料になるので、血管を強くする効果が期待されている脂質です。

 

 

その5:健康に良いかどうかは脂質を摂るバランスが大切

 

脂質は、身体を動かすエネルギーになる、細胞膜やホルモンの材料になる、など身体に必要な栄養ですが、摂りすぎれば脂質の種類によっては病気になる可能性が高くなります。

大切なのは、普段食べている食事の中で摂りすぎているものは減らし、必要なものを摂ることでバランスよく脂質を摂ることです。脂質は日本人の食事摂取基準では、18歳以上の場合は1日の総カロリーの20%~30%を脂質で摂り、1日の食事全体の飽和脂肪酸の量は総カロリーの7%以下となっています。

オメガ3は約2g、オメガ6は約8gが1日に必要な量となっているので、オメガ3は1日2gくらい食べた方が良いです。食事で必要な量を摂れない時は、不足している脂質を摂れるオイルを使いましょう。

 

 

 

自分に合った健康に良い油の選び方

 

 

その1: 摂りすぎている脂質を減らして、必要な脂質を摂る

 

どんなに良いオイルでも摂りすぎれば健康に良いものではありません。人によって食べている食事が違えば、足りない脂質、食べ過ぎている脂質は違います。

脂質はバランスよく摂ることが必要なので、自分に合った脂質の量、今食べている食事全体でどの程度の脂質を摂っているのか計算してみた方が良いです。

忙しくて計算するのが難しい場合は、毎日の食事の中で1日にマグロのトロの刺身は約40g、ハマチの刺身は約70g、フラックスシード約8g、エゴマ油小さじ1杯(約4g)のどれかを食べているか、ショートニングやマーガリンの入ったパンやお菓子を食べていないか考えてみて下さい。

もし、ショートニングやマーガリンの多く含むものを食べている場合は減らしましょう。魚やフラックスシードなどのオメガ3を含むものを食べていないなら、オメガ3の多い食品を摂った方が良いです。

 

 

1日に必要な脂質の量の計算方法や脂質の選び方について知りたい方は、別に記事で解説していますのでこちらをご覧ください。<[解説]健康に良い油はどう選んだらいい?健康に良い油の選び方

 

 

その2:必要な脂質は食事から摂り、足りない時はオイルを使う

 

必要な脂質はできれば食事で摂った方が良いですが、食材が手に入らないなど食事でとることができない場合があります。食事から摂れない時はオイルから摂りましょう。

食事が沢山食べられないので不足する脂質がある場合も、オイルを使って足りない分を補いましょう。足りない分をオイルで補う時は、オイルも食品なので質の良いものを使う方が良いです。

質の良いオイルの選ぶコツとしては、未精製の低温圧搾法(コールドプレス)、他のオイルが混ざっていない原材料が1つのもの、遮光瓶など酸化防止の容器に入っているもの、の3つの条件がそろっているものを選ぶと良いです。

 

 

オイルの選び方について知りたい方は別の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。<[解説]健康に良いオイルの選び方~基本は3つの条件で選ぶ~

 

 

その3:可能な限りサプリメントは使わない

 

不足している脂質がある場合はサプリメントを使って必要な脂質を摂ることもできますが、サプリメントで摂るのはお勧めできません。

オメガ3のサプリメントの場合は、魚などを原料としたフィッシュオイル、オキアミというエビを原料としたクリルオイルなどが健康食品として販売されています。

サプリメントについては、あまり効果が期待できないという研究報告があること、サプリメントの摂りすぎで腎臓が悪くなったなどの健康被害が報告されているものがあるので、できるだけ必要な栄養は食事からとることをお勧めします。

 

 

 

健康に良い油を使う時に気を付けたいこと

 

 

その1:オイルは開封後は冷暗所で保管し、使い方によって分ける

 

オイルは酸化しやすいため、開封後は冷暗所での保管になります。高温になる場所では酸化しやすいので、すぐに使わない時は冷蔵庫での保管をお勧めします。

冷蔵庫での保管であっても一度空気に触れると酸化しやすいため、1カ月~2カ月以内に使い切った方が良いです。オイルにもよりますが、熱に弱いオイルの場合は冷蔵庫で保管していても酸化が早いものもあります。

酸化の早いオイルは、2カ月以上たつと酸化している場合があるので、1カ月を目安に使い切る方が良いです。

 

 

その2:使い切れる量を買い、酸化したものは使わない

 

オイルによっては毎日使う場合もあれば、時々しか使わないものもあると思います。オイルは、できるだけ1カ月~2カ月以内に使い切れる量を買い、足りなくなったら買う方が良いです。

1度に大量に買うと未開封でも保管状態によっては保管している間に酸化してしまったり、食べきる前に酸化してしまうことがあります。酸化したオイルは食べると身体に負担をかけることになります。

食べる頻度にもよりますが、毎日オイルを食べるのであれば酸化したオイルを使うのはやめておいた方が良いです。

 

 

酸化したオイルが身体に悪い理由については別の記事で解説していますので、興味のある方はこちらをご覧ください。<酸化した油は健康に悪い!食べてはいけない理由と見分け方を解説

 

 

その3:自分の食べ方に合ったオイルを選んで食べる

 

オイルには加熱できるもの、加熱に向かないものがあります。また、オイルによって含まれる脂質も違うので、食べ方によってオイルを変える必要があります。

オメガ3をオイルで摂りたい人でも、サチャインカインチオイルの方が良い人もいれば、えごま油の方が良い人もいます。”誰でもこのオイルさえ食べていれば健康に良い”というどんな人の食べ方にも合うオイルはありません。

毎日の食事で食べているものの中で不足している脂質や食べ方で選ぶオイルが変わりますし、食べ方によってはいくつかのオイルを使い分けた方が良い場合もあります。

健康維持を目的でオイルを食べるのであれば、美味しく自分に合った食べ方をした方が続くので、”このオイルは合わないかも”と感じた場合は、他のオイルに変えたり、食べ方を工夫した方が良いです。

 

健康に良いオイルを知りたい方は別の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。<健康に良いオイルをお探しですか?健康に良いオイル5種類を解説

 

 

 

まとめ

 

 

脂質にはいくつか種類がありますが、その中で健康に良い油と言われる脂質は種類が限られています。健康に良い食生活に変えるために”身体に害があるからすべてやめよう”といって、好きな食べ物を食べることを我慢していると長続きしないです。

どうしても身体に悪いと言われていても好きな食べ物がある場合は、食べる頻度と量を減らし、減らした分は自分に合った食べやすい方法で身体に良い脂質を摂るように変えていった方が良いです。

一度にすべてを変えるのは難しくても、害のあるものを減らすだけで身体にかかる負担は減らせると思います。自分や自分の大切な人達のために、毎日の食事を少しだけ変えてみませんか?

この記事では、健康に良い油のオメガ3・オメガ6・オレイン酸・パルミトレイン酸、自分に合った健康に良い油の選び方、健康に良い油を使う時に気を付けたいことをご紹介しました。

他の記事では、健康に良いおすすめのオイルや健康に良い食材について解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

健康に良いおすすめのオイルに興味のある方はこちらをご覧ください。<健康に良いおすすめオイルはどれ?健康におすすめオイルをご紹介

 

健康に良い食材に興味のある方はこちらをご覧ください。<現在、執筆中>

 

 

 

参考文献:

植物油の事典

医者が教える食事術2-実践バイブル-

医師が教える食事術 最強の教科書

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

栄養データはこう読む!ー疫学研究から読み解くぶれない食べ方ー

知識ゼロからの健康オイル/井上浩義/株式会社 幻冬社

読むオイル事典/YUKIE/株式会社 主婦の友社

カラダが変わる!油のルール/守口徹/朝日新聞出版

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

サプリメントの正体

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