健康

魚は健康に良い?魚が健康に良いのか調べた結果をまとめて解説

 

 

 

 

・魚は健康に良い?

・どれが健康に良い魚なの?

・健康に良い魚の食べ方は?

 

こういった悩みに答えます。

 

 

 

目次

・魚には健康に良い油と身体に良い栄養が入っている

・健康に良い栄養が多い魚と食べない方が良い魚の違い

・健康に良い魚の種類と食べる時に気を付けたいこと

 

 

 

魚は健康に良いと言われているけど、何と比べてどの種類の魚が良いの?と気になりませんか?魚に含まれるオメガ3という油やビタミンB12などの栄養は身体に必要な栄養ではありますが、実際どの種類を食べたらいいのか分かりにくいですよね。この記事では、魚と肉類やえごま油の油の違い、健康に良い栄養が多い魚や食べない方が良い魚、健康に良い魚の種類について調べた結果をまとめて解説します。魚が肉類やえごま油との違いや健康に良い魚の種類がわかれば、身体に良い油と栄養を含む魚選びに迷わなくて済みます。栄養不足で体調を崩さないためにも、身体に良い魚を取り入れる時の参考にしてみて下さい。

 

 

 

魚には健康に良い油と身体に良い栄養が入っている

 

 

その1:魚の油は、えごま油より効率よくDHA・EPAとして使われる

 

オメガ3が身体に良いと言われていますが、えごま油と魚の油に含まれているオメガ3は種類が違います。

魚の油に含まれるオメガ3はDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(イコサペンタエン酸)・DPA(ドコサペンタエン酸)・ETA(イコサテトラエン酸)などの油が多く、αリノレン酸は少ないです。

えごま油に含まれる約60%の油は、αリノレン酸です。えごま油が健康に良いと言われている理由は、αリノレン酸が身体の中で分解されてEPAやDHAにつくり変えられて、EPAは炎症を抑える働きのある物質の材料などとして使われ、DHAは脳や網膜に使われるからです。

αリノレン酸からDHAやEPAに作れる量には個人差があります。αリノレン酸からEPAやDHAが作られる量は、若い男性ではEPAは約8%でDHAが約0%~4%、若い女性ではEPAは約21%でDHAが約9%と言われています。

身体の中にDHAやEPAにつくり変えるために必要な材料が揃っていない場合はもっと効率が悪くなります。魚の油の場合は、αリノレン酸からつくり変えなくても、DHAやEPAが油に多いので効率よくオメガ3が活用されやすいです。

身体の中でオメガ3が活用される効率が個人差が大きいえごま油より、魚の油の方が身体の中で効率よく使えるオメガ3の油が多く含まれていて健康に良いです。

 

 

   その2:魚に含まれているビタミンB12などの栄養が貧血予防に役立つ

 

フラックスシードやその他の植物由来のオメガ3を多く含む食品には、疲労回復に役立つビタミンB群が含まれているものがありますが、ビタミンB12はほとんど含まれていません。

ビタミンB12は肉類、魚、海藻類に多く含まれていて、赤血球をつくる働きがあり貧血予防にも必要なビタミンです。貧血の原因には、赤血球を作る材料の不足やヘモグロビンを作る材料の不足などがあります。

赤血球を作るには葉酸とビタミンB12、ヘモグロビンを作るには鉄とたんぱく質が必要です。魚には、たんぱく質、鉄、ビタミンB12、葉酸、が含まれています。

貧血予防に役立つ食べ物が食べたい時には、植物由来の食品よりも魚の方が身体に良いです。

 

 

その3:肉類よりも、身体に良い油が多い

 

牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類は、油の少ない部位を選んで食べれば飽和脂肪酸が少なくて良いですが、オメガ3は他の食材から摂る必要があります。オメガ3を多く含む魚であれば、一価不飽和脂肪酸やオメガ3が多く摂れるので、肉類よりも魚の方が身体に良いです。

飽和脂肪酸は摂りすぎると糖尿病や脳梗塞などになる可能性が高くなるので食べない方が良いです。一価不飽和脂肪酸は身体に害が少ない油で、身体に必要な脂質を摂る時に食べた方が良い油です。

飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は身体の中で作れる油ですが、油は身体を動かすエネルギーに使われたり、ホルモンや細胞膜の材料に使われる栄養です。身体に必要な脂質が足りないと、肌荒れや便秘、体調不良の原因になります。

油は身体に必要な栄養だけれど、食べる油の種類のバランスと油の質が大切です。油の種類では、オメガ3とオメガ6は身体の中で作れない脂質なので食べ物から摂る必要があります。

オメガ3は炎症を抑える物質の材料、細胞膜の柔らかさを作る役割があります。オメガ6は炎症を起こす物質の材料、細胞膜の硬さを作る役割があります。オメガ3とオメガ6は反対の役割を持つ油ですが、両方とも身体に必要な油で1:1~1:4のバランスで摂る必要があります。

豚肉や鶏肉はオメガ6が多く、牛肉は飽和脂肪酸が多いです。魚に含まれている油は、他の肉類と比べるとオメガ3と一価不飽和脂肪酸が多く、飽和脂肪酸とオメガ6が少ないです。

オメガ6は食べ過ぎると、認知症や脳梗塞になる可能性が高くなる油ですが、摂りすぎになりやすい油です。魚は、オメガ3や一価不飽和脂肪酸など身体に良い油が多く含まれていて健康に良いです。

 

 

 

健康に良い栄養が多い魚と食べない方が良い魚の違い

 

 

 その1:マグロやメカジキなどメチル水銀の多く含む魚は、健康に悪い

 

魚には水銀が含まれていることが多く、魚の種類によって水銀が含まれる量が違います。魚にはメチル水銀も含まれていて、できるだけ食べない方が良い魚には、マグロ、メカジキ、サメなどがあります。

メチル水銀には、人間が一生食べ続けても健康影響が現れない一週間あたりの摂取量の指標があり、耐容一週間摂取量(PTWI)と言われています。

耐容一週間摂取量(PTWI)は、体重(kg)×メチル水銀1.6㎍が上限とされていて、体重45kgの場合は72㎍、体重50kgの場合は80㎍、体重60kgの場合は96㎍になります。

1日当たりの摂取量にすると、体重45kgの人は10.28㎍、体重50kgの人は11.42㎍、体重60kgの人は13.7㎍です。1日に食べられる魚の量に例えると、1日の摂取上限が10.28㎍の場合、クロマグロの脂身は約1.6g、メカジキの刺身は約6g、ブリの刺身は約14gです。

ブリの刺身は1切れが15gくらいなので、ブリの刺身を1切れ食べたら次の日まで他の魚が食べられないです。

水銀の多い種類の魚を大量に食べてしまうと水銀中毒を起こすことがあるので、魚を食べる場合は水銀の量が少ないカタクチイワシ、サンマの刺身などを食べた方が良いです。

 

 

その2:セレンが多い魚は食べない方が良い

 

セレンが多いものは、サンマ、カタクチイワシ、シシャモ、銀鮭です。セレンは身体に必要な栄養ではあるけれど、食べ過ぎると下痢、疲労感、爪の変形、脱毛、神経障害などを起こすことがあります。

セレンの1日に必要な摂取量は、18歳以上の男性では1日30㎍、18歳以上の女性では1日25㎍です。1日の摂取量の上限は18歳以上74歳までの男性では450㎍、18歳以上の女性では350㎍です。

セレンが多い種類の魚には、マガレイ、カツオ、アマダイ、キハダマグロ、ビンナガマグロ、などがあります。セレンは、生のアンコウの肝100gには200㎍、たらこ100gには130㎍、クロマグロの赤身100gには100㎍、含まれています。

焼いたマアジの場合は、皮と身だけ50gにセレンが39㎍含まれています。セレンは他の食材にも含まれているものがあるので、オメガ3の摂れる魚を食べたい時は、セレンの量の多い魚はできれば食べない方が良いです。

どうしても食べる場合は、他のセレンが多く含まれている食材を食べる量を減らして、セレンを摂りすぎないよう調整した方が良いです。

 

 

その3:オメガ3やビタミンB12などの栄養が多く水銀の少ない魚は健康に良い

 

オメガ3や一価不飽和脂肪酸などの身体に良い油が多く、ビタミンB12も多く含む魚には、サンマ、カタクチイワシ、にしん、シシャモ、アトランティックサーモン、ノルウェーサバ、銀鮭、いかなご、などがあります。

魚の中でもオメガ3を1日分摂れて食べる量が少なくても良い魚は、サンマの刺身、ノルウェーサバの刺身です。

1日2gのオメガ3を摂れるように刺身を食べる場合は、サンマの刺身は約2.2切れ(約29g)、ノルウェーサバの刺身は約3.4切れ(約34g)で良いです。

焼いた魚の場合は、ノルウェーサバの皮と身だけで約31g、アトランティックサーモンの皮と身だけで約51gで良いです。

缶詰の場合は、イワシの水煮缶、カラフトマスの水煮缶などがあります。ツナ缶が健康に良いと言われていましたが、油漬けのツナ缶はオメガ6が多く含まれています。

油漬けのツナ缶も水煮のツナ缶もオメガ3の量が少ないので、オメガ3を摂るために食べるとオメガ6と一緒に水銀の摂りすぎになります。

イワシの缶詰やカラフトマスの缶詰は水銀の量が少なく、ツナ缶よりもオメガ3を多く含まれています。

缶詰は、非常食以外にも疲れてるときや料理できない時にたんぱく質と一緒にオメガ3も手軽に食べられるので、保存できる食品として買い置きしておくと便利です。

 

 

 

健康に良い魚の種類と食べる時に気を付けたいこと

 

 

その1: 栄養豊富で身体に良い油を含む種類の魚

 

オメガ3や一価不飽和脂肪酸、ビタミンB12が多く含む魚には、ニシン、サンマ、ノルウェーサバ、いかなご、アトランティックサーモン、カラフトマス、などがあります。

魚の缶詰の場合は、イワシの水煮缶、イワシの味付け缶、イワシのかば焼き缶、イワシのトマト煮缶、カラフトマスの水煮缶、があります。ビタミンB12は18歳以上の男性も女性も1日に2.4㎍が推奨量になっています。

1日2.4㎍を魚の量にすると、サンマの刺身は約16g、焼いたアトランティックサーモンは約27g、焼いたノルウェーサバは約28g、イワシの水煮缶は具のみで約16g、イワシのかば焼きの缶詰は汁と具を合わせて約20g、になります。

サンマの刺身も焼いたノルウェーサバも1日に必要なオメガ3が摂れる量を食べれば、一緒にビタミンB12も1日分摂れます。

セレンが含まれている魚には、トラウトサーモン、銀鮭、サンマがあります。サンマは100gでセレンが25㎍含まれているので、できれば食べる量を50gくらいにした方が良いです。トラウトサーモンと銀鮭は、セレンの摂りすぎになりやすいので、できれば食べない方が良いです。

 

 

 その2:魚以外のおすすめの食材とできれば食べない方が良い食材

 

魚以外でおすすめの食べ物には、アサリ、タラバガニ、サクラエビ、ほたるいかです。理由は、どの食材もビタミンB12を多く含んでいてセレンや水銀の量が少ないからです。

アサリはセレンが含まれていますが、ビタミンB12も多く含まれています。生のアサリのむき身100gにはセレンが38㎍含まれていますが、1日に100gは食べられる量ではないです。

アサリの生のむき身を約4.6g(殻付きのアサリ約2個分)食べると1日に必要なビタミンB12が摂れるので、アサリ2個ならセレンの食べすぎにはならないです。

1日のビタミンB12の量を魚介類に例えると、生のアサリは約2個(生のむき身4.6g)、茹でたタラバガニの身は約24g、干したサクラエビは約22g、茹でたほたるいかは約17gです。

水銀が多いのであまり沢山食べない方が良いものは、シジミ、ハマグリ、ホタテ貝、ズワイガニ、シバエビ、ブラックタイガー、イセエビ、スルメイカ、です。

セレンが多く含まれているのは、アサリ、カキ、ズワイガニ、クルマエビ、スルメイカ、ナマコ、です。シジミやハマグリのむき身を1日に100gも食べることはないと思いますが、もし食べる場合はむき身で40g未満にした方が良いです。

水銀の量を1日10.28㎍を上限にした場合、生のシジミのむき身は約46g、生のハマグリのむき身は約73gで1日分の量になります。他の魚介類も食べる場合は、できればシジミやハマグリなどの水銀が多いものは食べない方が良いです。

 

 

 その3:魚を食べる時に気を付けたいこと

 

魚はできれば生で食べた方が身体に良い栄養を摂れますが、魚にはアニサキスという寄生虫がいます。

アニサキスは、-20℃で24時間冷凍する、60℃以上で1分以上加熱すると死滅してしまうので、刺身で食べる場合は―20℃以下で冷凍できる業務用冷凍庫で24時間以上冷凍した刺身用の魚を食べた方が良いです。

家庭用の冷凍庫などは―10℃前後の温度までしか冷凍出来ないので、アニサキスが生きていることがあります。スーパーなどで買う時に新鮮な生のものよりもラベルに解凍と書かれているものを選んだ方が良いです。

加熱調理する場合は、60℃以上で1分以上加熱することになります。どんな食材も加熱調理をすると調理方法によってはAGEが増えるため、緑黄色野菜や抗酸化物質を含む食材を一緒に食べた方が良いです。

AGEは最終糖化物質とも呼ばれているもので、糖とたんぱく質が熱でくっついてできた老化の原因にもなる物質です。調理方法をAGEが多いものを順番にすると、1番目は揚げる、2番目は焼く、3番目は煮る、最後は蒸す、です。

AGEの害を抑える働きをする食べ物には抗酸化物質やビタミンA・ビタミンE・ビタミンCなどがあります。

緑黄色野菜にはビタミンA・ビタミンE・ビタミンCが多く含まれていて、緑茶・赤ワイン・大豆などには抗酸化物質が多く含まれているので、魚と一緒に食べるとAGEの働きを抑えるのに役立ちます。

クエン酸を含む食べ物もAGEの働きを抑えるのに役立つので、焼き魚にレモンをかけて食べるのも良いです。

 

 

 

  まとめ

 

 

魚は水銀が多いので食べない方が良いと言われてたり、健康に良いから食べた方が良いと言われていたりします。水銀が入っていないものを食べたい場合は、魚介類は食べない方が良いです。水銀はほとんどの魚に含まれています。

魚は、健康に良い油や栄養を多く摂れるので、食べるのであれば種類を選んで食べると良いです。選ぶときに迷ったら、オメガ3を摂りたい場合は、サンマの刺身、ノルウェーサバから選ぶと良いです。

ビタミンB12を多く摂りたい時は、アサリ、サンマの刺身を選ぶと良いです。私のおすすめは、オメガ3もビタミンB12も摂れる、サンマの刺身、アトランティックサーモン、ノルウェーサバがおすすめです。

保存食として使える便利なおすすめの缶詰は、イワシの缶詰は水煮・味付け・かば焼きの3種類、サーモンの缶詰はカラフトマスや紅鮭の水煮の缶詰がおすすめです。

種類を選べば魚は肉類よりも身体に良い栄養が摂れるので、いつもの食事に身体に良い油と栄養が豊富な魚を取り入れてみませんか?

この記事では、魚と他の食材の油の違い、健康に良い魚と食べない方が良い魚、健康に良い魚の種類と食べる時に気を付けたいこと、について解説しました。

他の記事では、魚の油が健康に良いのか調べた結果のまとめや健康に良い食材を解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

魚の油が健康に良いのか調べた結果について興味のある方はこちらをご覧ください。<魚の油って健康に良いの?魚に含まれる油の調査のまとめ

 

 

健康に食材に興味のある方はこちらをご覧ください。<現在、執筆中>

 

 

 

 

参考文献:

厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸組成表編-可食部100g当たり」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成表編-可食部100g当たり」

厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」

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