オイル・油 健康

[解説]何と比較して健康に良い油?脂質の種類を調べた結果のまとめ

 

 

 

・油を健康に良いかどうか比較したらどれがいい?

・健康に良い油ってなんで?どんな基準で比較してそうなってるの?

・油を健康に良いかどうか比較(比べる)するとどんな結果になる?

 

こういったお悩みに答えます。

 

 

 

 

目次

・油に含まれる脂質を比較する前に、知っておきたい脂質の話

・油に含まれる脂質を比較した結果

・[結論]オイルを選ぶときの基準は3つ

 

 

 

油に含まれる脂質を比較する前に、知っておきたい脂質の話

 

 

その1:脂質には、身体の中でつくれない脂質、つくれる脂質2種類ある

 

脂質は細胞膜やホルモンの材料になったり、身体を動かすエネルギーになったり、一部のビタミンなどの栄養素の吸収効率をよくするなど、身体に必要な役割を持っています。脂質をオメガ3やオメガ6といったり、中鎖脂肪酸などの細かい種類で説明されるとわかりにくいと感じた方もいると思います。

そこで、油に含まれる脂質を比較する前にざっくりと簡単に油の種類を説明すると、長鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸などは脂質の長さ、オメガ3やオメガ6は脂質の二重結合がある位置、飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸は脂質を特徴ごとに油に含まれる脂質の種類をグループ分けしたグループの名前のことです。

オレイン酸やラウリン酸というのがそれぞれの脂質の名前のことで、脂質の種類は20個以上あります。その20個以上の脂質の種類を簡単にグループに分けると、身体の中でつくれる脂質か、つくれない脂質かで分けられます。

身体の中でつくれない脂質は必須脂肪酸と言われていて、多価不飽和脂肪酸のオメガ3とオメガ6です。その他のほとんどの脂質は身体の中で作れる種類の脂質になります。

 

 

その2:オメガ3とオメガ6は1:1~1:4のバランスで摂る必要がある

 

オメガ3は青魚に多く含まれていますが、アブラナ科の野菜にも微量だけれど含まれています。

オメガ6は鶏肉の皮、鶏卵、豚バラ肉に含まれています。それぞれの役割を簡単に解説すると、オメガ3は身体の中で細胞膜の柔らかさを作ったり、炎症を抑えるなどの役割をしています。

オメガ6は炎症を起こしたり、細胞膜の硬さを作る役割をしています。オメガ6は摂りすぎると炎症がおきやすくなりアレルギーになる可能性が高くなりますが、だからといって食べないのは身体に悪いです。

理由は、炎症は身体の中で異常があった時に知らせる役割があるので、オメガ6も身体には必要です。

オメガ3は健康に良いからといってたくさん食べると、血液を固まりにくくするため摂りすぎは良くないです。オメガ3とオメガ6は正反対の役割をしているので、バランスよく摂らないといけない脂質ということです。

オメガ3とオメガ6で、1:1~1:4の間で摂る必要があり、割合としてはオメガ3とオメガ6を1:2で摂ると良いと言われています。この記事では、オメガ3とオメガ6は必要な脂質なので他の油との比較はしていません。

 

 

その3:身体の中でつくれる脂質には食べると害があるものがある

 

身体の中でつくれる脂質には、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸というグループにわけられる脂質がありますが、この中の脂質の種類によっては食べると身体に悪いものがあります。

必須脂肪酸以外の脂質も身体には必要なので、トランス脂肪、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸のどれかから摂ることになります。この記事では、食べると身体に悪い油は避けられるように食べると害のあるもの、食べても特に害がないものを調べて比較した結果をまとめました。

 

 

 

油に含まれる脂質を比較した結果

 

 

その1:[比較結果①]食べてはいけない危険な油は、トランス脂肪酸

 

トランス脂肪酸は、植物由来のオイルに水素を加えて人工的に作られた油で、常温でも固体のまま酸化しにくく腐りにくいのが特徴です。

トランス脂肪酸の入っている食べ物には、植物油脂、ショートニング、マーガリン、ファストブレッドなどがあります。認知症、鬱、脳梗塞や心筋梗塞になりやすく、突然キレるなど身体に悪いことしかないです。

突然キレたり、鬱や認知症になりやすくなる原因は、人間の脳の60%は脂質でできていて、脳を作る材料になる脂質は食べた食べ物から吸収して使っているからです。

脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなる原因は、身体の中で血液の中のコレステロールを調整している機能を狂わせてしまい、脳梗塞や心筋梗塞の原因になるプラークをつくりやすい状態がおきるからです。

プラークは血管壁に溜まった酸化した油でできた異物のようなもので、プラークができる原因は酸化しやすいLDLコレステロールが血液の中にあったからです。

血管の壁をLDLコレステロールが通る時に酸化してしまうとマクロファージという細胞が酸化したLDLコレステロールを食べて血管の壁の中で異物として溜まっていきプラークになります。

プラークが作られる量が多いと、血液の流れが悪くなり病気の原因になります。トランス脂肪酸は、脳にも他の病気にも影響があるので、これを食べるのはやめた方が良いです。

 

 

その2:[比較結果②]食べない方がいい油は、飽和脂肪酸

 

飽和脂肪酸は摂りすぎると心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病になりやすくなります。

心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなる原因は、飽和脂肪酸を食べすぎると血液の中のコレステロールが多くなる状態を作りやすい脂質だからです。

血液の中のコレステロールが増えて、酸化しやすい状態のLDLコレステロールが増えるとプラークが作られやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が上がります。

糖尿病にかかりやすくなる原因は、膵臓にあるインスリンを作る細胞を壊して、細胞のインスリンを作れる量が減り血糖値が上がりやすくなる、身体の中で余った糖を細胞に保管しようとしても脂質が邪魔して保管できなくなるからです。

食べ過ぎた油は身体の中で余ったエネルギーとして細胞に溜め込まれていきます。身体の中で使われずに余った糖もエネルギーとして細胞に保管されますが、余った糖は細胞に保管されるときにインスリンがないと細胞の中に入れないです。

細胞の中に脂質があるとインスリンが糖を保管しようとしても邪魔をして、血液の中に糖が余った状態になってしまうため、糖尿病になりやすくなります。

飽和脂肪酸は摂りすぎると、インスリンを作っている肝臓にも害があるので食べる量は控えた方が良いです。

 

 

その3:[比較結果③]食べても他の脂質と比べて身体に特に害がないのは、オレイン酸とパルミトレイン酸

 

一価不飽和脂肪酸は、オレイン酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、パウリン酸、ネルボン酸などがありますが、この中で身体に害が少ないのはオレイン酸です。

オレイン酸は、飽和脂肪酸のような膵臓のインスリンを作る細胞に壊すこともなく、飽和脂肪酸よりは血液の中のコレステロール値を上がりにくい種類の脂質です。

パルミトレイン酸は、血管壁の材料になり、血管を丈夫にするそうといわれていますが、それ以外には特に身体に害はない脂質です。エルカ酸はずっと食べ続けていると健康に害があるといわれているので、できれば食べない方が良いです。

そして、植物由来のオイルに多く含まれるのが、オレイン酸、パルミトレイン酸、エルカ酸の3つです。一価不飽和脂肪酸の中で身体に必要な脂質は、害の少ないオレイン酸やパルミトレイン酸を選んだ方が良いです。

 

 

 

[結論]オイルを選ぶときの基準は3つ

 

 

その1:オメガ3とオメガ6以外で身体に必要な脂質は、オレイン酸、パルミトレイン酸から選ぶ

 

オメガ3とオメガ6以外の身体に必要な脂質を摂る時は、飽和脂肪酸の量は控えめにして、オレイン酸やパルミトレイン酸から脂質を摂った方が良いです。

飽和脂肪酸は摂らなくても身体の中でつくることができますが、全くとらないようにするのは難しいです。植物由来のオイルにも飽和脂肪酸は含まれていて、オレイン酸やパルミトレイン酸を多く含むオイルでも、ある程度はパルミチン酸などの飽和脂肪酸が入っています。

鶏肉、豚肉、大豆にも飽和脂肪酸は含まれています。野菜中心の生活をしていても、大豆やアーモンドにも飽和脂肪酸が含まれるので、大豆やアーモンドを食べていれば飽和脂肪酸は食べてます。

ココナッツオイルや飽和脂肪酸の多い肉を食べなくても、野菜中心の食事からでも飽和脂肪酸は摂れるので、オイルを食べるならオレイン酸かパルミトレイン酸の多い種類を選びましょう。

 

 

その2:脂質はバランスよく食事からとり、足りない時にオイルを使う

 

身体の中にプラークができる原因には、脂質の摂りすぎ以外には、LDLコレステロールを酸化から守る役割をする種類のビタミンの不足、LDLコレステロールを酸化か守るビタミンが壊れた時に修復する材料不足などもあります。

LDLコレステロールを酸化から守っているのはビタミンE、ビタミンEが壊れた時に修復するための材料になるのがビタミンCです。LDLコレステロールの量が多く、ビタミンEが少なく、ビタミンCも少ないとプラークができやすくなります。

脂質は糖質よりも太りにくいですが、食べ過ぎれば太る原因になるので1日の総カロリーの20%~30%で摂る方が良いと言われています。

脂質を摂りすぎず、野菜・果物・ナッツ類などからビタミンEやビタミンCも食べた方がプラークのつくられやすい状態になりにくいです。オイルで脂質を撮るよりも、アーモンドの方がビタミンEも食物繊維も鉄分も入っているので、必要な栄養は食事から摂った方が良いです。

食事から栄養を摂っても不足している脂質がある時は、オイルを使うと良いです。1日に必要な脂質の計算方法などは他の記事で解説をしているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

1日に必要な脂質の計算方法や健康に良い油の選び方に興味のある方はこちらをご覧ください。<[解説]健康に良い油はどう選んだらいい?健康に良い油の選び方

 

 

その3:オイルを使う場合は品質の良いものを選ぶ

 

オイルを使う時は、できるかぎり質の良いものの方が良いです。身体に害が少なく、できるだけ質の良いオイルの選ぶには、買う前に確認しておいた方が良い条件が3つあります。

買う前に確認することは、原材料は他のオイルが混ざっていない原材料が1つのもの、製造方法は未精製の低温圧搾法(コールドプレス)、保管容器は遮光瓶か箱に入っているもの、の3つです。

例えば、オリーブオイルであれば、原材料がオリーブ、未精製の低温圧搾法(コールドプレス)、遮光瓶に入っているものを選んでください。他のオイルも同じです。

3つの条件に当てはまらないオイルは、オイルを作る途中で身体によくないものが入ってしまっていたり、光や熱でオイルが酸化してしまっていることがあります。健康に良いと言われているオイルでも買う前には、必ず確認した方が良いです。

健康に良いオイルの選び方や健康に良いオリーブオイルの選び方は他の記事でも解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

健康に良いオイルの選び方に興味のかる方はこちらもご覧ください。<[解説]健康に良いオイルの選び方~基本は3つの条件で選ぶ~

 

健康に良いオリーブオイルの選び方に興味のある方はこちらをご覧ください。<健康に良いのは、本物のエクストラバージンオリーブオイルだけ

 

 

 

 

参考文献:

カラダが変わる!油のルール/守口徹/朝日新聞出版

日本食品標準成分表 脂肪酸組成編(2015年版)

栄養データはこう読む!ー疫学研究から読み解くぶれない食べ方ー

食事のせいで、死なないために[病気編]/マイケル・グレガー、ジーン・ストーン/NHK出版

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