・健康に良いオイルってどんな種類?
・オイルには、どんな原材料からできたものがあるの?
・沢山の種類があるオイルを使いこなすには、どうしたらいい?
こういったお悩みに答えます。
目次
・健康に良いオイルはオメガ3、オメガ6、パルミトレイン酸、オレイン酸、の4種類
・健康に良い植物由来のオイル5種類~30種類以上から厳選~
・健康に良い種類のオイルの使い方・選び方
健康に良いオイルはオメガ3、オメガ6、パルミトレイン酸、オレイン酸、の4種類
その1:健康に悪いオイルは主に2種類
脂質には、トランス脂肪酸、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の4つがありますが、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸は摂りすぎると健康に悪いオイルです。
特にトランス脂肪酸は、糖尿病、鬱、心筋梗塞や脳卒中などになる可能性が高くなる危険な脂質なので食べない方が良いです。
飽和脂肪酸は摂りすぎると糖尿病、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなるのでこちらも食べない方が良いです。
4種のなかで身体に害が少ないのは一価不飽和脂肪酸です。一価不飽和脂肪酸の中で身体の中でつくりだせないので食べ物から摂る必要があるのは、多価不飽和脂肪酸のオメガ3とオメガ6です。
一価不飽和脂肪酸でも身体の中でつくりだせるけど、身体に必要な脂質を食べ物から摂る時に身体に害が少ない種類は、オメガ7のパルミトレイン酸、オメガ9のオレイン酸です。
そのため、健康に良いオイルは、パルミトレイン酸、オレイン酸、多価不飽和脂肪酸だけになります。
その2:一価不飽和脂肪酸脂質の中で害が少ないのは、パルミトレイン酸、オレイン酸
パルミトレイン酸もオレイン酸も人間の体内でつくりだせる脂質です。パルミトレイン酸は、年齢とともに作られる量が減っていく脂質で、血管壁の材料になり血管を強くする効果が期待されています。
オレイン酸は、飽和脂肪酸と比べると血中コレステロールを下げると言われている脂質です。
一価不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と違い膵臓のインスリンを作る細胞を壊したりしないと言われている身体に害が少ないオイルです。
必須脂肪酸以外の足りない脂質を補う時には、飽和脂肪酸よりはパルミトレイン酸かオレイン酸を含むオイルを選ぶと良いです。
その3:身体に必要な脂質の必須脂肪酸は、オメガ3、オメガ6
多価不飽和脂肪酸は人間の身体の中で合成できない脂質で食べ物から摂るしかない必要な栄養です。身体には必要な脂質なので、必須脂肪酸と呼ばれることもあります。
多価不飽和脂肪酸には、オメガ3とオメガ6の2種類があります。
オメガ3には主に、αリノレン酸、DHA、EPAという脂質があります。オメガ3の役割としては、細胞膜の柔軟性をつくる、オメガ6が起こした炎症を抑える、血液をサラサラにする、などの役割があります。
オメガ6にはリノール酸やアラキドン酸という脂質があります。オメガ6の役割は、細胞膜の硬さをつくる、炎症をおこす、血液の凝固、などの役割があります。
オメガ6は摂りすぎるとアレルギー、肥満、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、鬱、認知症、肌荒れ、などになる可能性が高くなります。
オメガ3とオメガ6は正反対の役割をする脂質なのでバランスよく摂る必要があり、オメガ3とオメガ6は1:1~1:4のバランスで摂ると言われていています。
健康に良い植物由来のオイル5種類~40種類以上から厳選~
その1:オメガ3が多く含まれるオイル
チアシードオイル:シソ科
主な成分:リノール酸 約62%(オメガ3)、リノール酸 約18%(オメガ6)、
その他の成分:オレイン酸 約7%(オメガ9)
原材料:チアシード
エゴマ油(シソ油):シソ科の植物
主な成分:α-リノレン酸 約60%(オメガ3)、
その他の成分:ルテリオン
原材料:エゴマの種子
アマニ油(フラックスシードオイル):アマ科の植物
成分:α-リノレン酸 約47%(オメガ3)、
その他の成分:リグナン
原材料:亜麻の種子
その2:オメガ6が多く含まれるオイル
月見草油:アカバナ科の植物
成分:リノール酸 約72%(オメガ6)、γ-リノレン酸 約9%(オメガ6)、
その他の成分:α-リノレン酸 約0.2%(オメガ3)
原材料:月見草の種子
グレープシードオイル:ブドウ科の植物
成分:リノール酸 約61%(オメガ6)、オレイン酸 約21%(オメガ9)、パルミチン酸 約11%(飽和脂肪酸)
その他の成分:ビタミンE、プロアントシアニジン
原材料:ブドウの種子
ウォールナッツオイル:クルミ科の植物
成分:リノール酸 約57%(オメガ6)、オレイン酸 約19%(オメガ9)、α-リノレン酸 約13%(オメガ3)、
その他の成分:
原材料:クルミの仁
その3:パルミトレイン酸が多く含まれるオイル
ヘーゼルナッツオイル:カバノキ科の植物
成分:オレイン酸 約41%(オメガ9)、パルミトレイン酸 約24%(オメガ7)、リノール酸 約8%(オメガ6)
その他の成分:ビタミンE
原材料:ヘーゼルナッツの種子
備考:種子はドングリに似ている
マカダミアナッツオイル:ヤマモガシ科の植物
成分:オレイン酸 約58%(オメガ9)、パルミトレイン酸 約21%(オメガ7)、パルミチン酸 約8%(飽和脂肪酸)
その他の成分:ビタミンB群、
原材料:マカダミアの種子
その4:オレイン酸が多く含まれるオイル
椿油(Camellia Oil):ツバキ科の植物
成分:オレイン酸 約85%(オメガ9)
その他の成分:
原材料:椿の種子
備考:
紅花油(サフラワー油):キク科の植物
成分:オレイン酸 約81%(オメガ9)、リノール酸 約12%(オメガ6)
その他の成分:ビタミンE、
原材料:紅花の種子
備考:リノール酸が多いタイプは在来種、オレイン酸が多いタイプ(ハイオレックタイプ)は品種改良されたもの
ティーオイル:ツバキ科の植物
成分:オレイン酸 約80%(オメガ9)、リノール酸 約10%(オメガ6)
その他の成分:カテキン、ビタミンE
原材料:山茶の実
備考:リノール酸が多いタイプは在来種、オレイン酸が多いタイプ(ハイオレックタイプ)は品種改良されたもの
オリーブオイル:
成分:オレイン酸 約75%(オメガ9)、パルミチン酸 約11%(飽和脂肪酸)、リノール酸 約9%(オメガ6)
その他の成分:
原材料:オリーブの実
ひまわり油:キク科の植物
成分:オレイン酸 約75%(オメガ9)、
その他の成分:ビタミンE
原材料:ひまわりの種子
備考:現在は品種改良されたオレイン酸が多い(ハイオレックタイプ)タイプが多い
その5:オメガ3・オメガ6・オレイン酸のバランスの良いオイル
サチャインカインチオイル(グリーンナッツオイル):トウダイグサ科の植物
成分:α-リノレン酸 約50%(オメガ3)、リノール酸 約30%(オメガ6)、オレイン酸 約8%(オメガ9)
その他の成分:ビタミンE
原材料:インカインチの実
カメリナオイル(Camelina Oil):アブラナ科の植物
成分:α-リノレン酸 約36%(オメガ3)、リノール酸 約20%(オメガ6)、オレイン酸 約19%(オメガ9)
その他の成分:
原材料:アマナズナの種子
入手しやすい健康に良いオイルの種類を知りたい方はこちらの記事をどうぞ<健康に良いオイルのランキング>
健康に良い種類のオイルの使い方・選び方
その1:入手しやすく使いやすいものを選ぶ~植物由来の食べれるオイルは30種類以上ある~
この記事では、厳選した健康良いオイルを5種類を紹介していますが、植物由来の食べれるオイルは2021年5月1日の時点で30種類を超えています。
食べれるオイルを一部ご紹介すると、ココナッツオイル、ザクロオイル、オリーブオイル、グレープシードオイル、米油、ごま油、レッドパームオイル、アーモンドオイルなどがあります。
この中で実際に生活の中で使えるのは、入手しやすく使いやすいオイルになり、種類はもっと限定されてきます。
例えばオレイン酸のオイルの場合、椿油は良いオイルですが値段が高かったりして入手が難しいこともありますので、オリーブオイルを使った方が良いです。
40種類以上あるオイルの中から値段・成分・目的別で比較した結果を別の記事で解説いているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
40種類以上あるオイルの中から値段・成分・目的別で比較した結果に興味のある方は、こちらをご覧ください。<[比較結果のまとめ]健康に良いオイルを見つけやすいのはどれ?>
その2:自分の食べ方に合ったオイルを使う
料理をする人もいれば、忙しくて料理をしている時間がない人、簡単に取り入れられる方法がいい人など、人によってオイルの食べ方は様々です。
例えばオメガ3を摂るためにオイルを使う場合でも、料理をする人の場合はサチャインカインチオイルが良い場合もあれば、オリーブオイルの方が良い場合もあります。
これは、オイルを使う人がオイルをどのように活用してバランスよく脂質を摂れるようにしたいかによって変わります。オイルは摂るバランスが大切なので、自分に合った食べ方をする方が良いです。
自分に合ったオイルの選び方に興味のある方は別の記事で解説しているので、こちらをご覧ください。<[解説]健康に良い油はどう選んだらいい?健康に良い油の選び方>
その3:品質の良いものを選ぶこと~低温圧搾法・遮光瓶・原材が1つのオイルが良いです~
オイルにも品質があり、これはオイルの原材料、作られ方、保管状態で変わります。これはどの植物由来のオイルでも同じです。
オイルの作られ方にはいくつか種類がありますが、その中で一番いいのは低温圧搾法(コールドプレス)です。低温圧搾法の方が良い理由は、オイルは加熱すると酸化しやすいので低温で圧力をかけて搾り取ったオイルの方が酸化している油の量が少ないからです。
オイルはオレイン酸の多く含まれるものであっても、光、熱、空気、によって酸化するので容器が遮光瓶のものの方が良いです。
オイルの中には、別のオイルを混ぜて販売されているものもあるので、オイルを選ぶときは他のオイルが混ぜられていないか原材料も確認した方が良いです。
オイルの作られ方や選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ<[解説]健康に良いオイルの選び方~基本は3つの条件で選ぶ~>
まとめ
普段の食事で何を食べているのかによって使うオイルが変わってきます。脂質は食事から摂る全体のバランスが大切なので、選ぶときは自分に合ったものを使いましょう。
この記事では、健康に良いオイル種類、健康に良い植物由来のオイル5種類、健康に良い種類のオイルの使い方・選び方をご紹介しました。今回ご紹介したオイル以外にもスーパーなどでも入手しやすく使いやすいオイルもあります。
別の記事では、使いやすいオイルや健康に良いおすすめオイルもご紹介していますので、興味のある方はそちらもご覧下さい。
使いやすいオイルについて知りたい方は、こちらをご覧ください。<健康に良いオイルをお探しですか?健康に良いオイル5種類を解説>
健康に良いおすすめオイルを知りたい方は、こちらをご覧ください。<健康に良いおすすめオイルはどれ?健康におすすめオイルをご紹介>
参考文献
油の正しい選び方・摂り方/奥山治美/社団法人 農山漁村文化協会
カラダが変わる!油のルール/守口徹/朝日新聞出版
植物油の事典
読むオイル事典/YUKIE/株式会社 主婦の友社
人のアブラはなぜ嫌われるのか
食事のせいで、死なないために[病気別編]/マイケル・グレガー、ジーン・ストーン/NHK出版