・牛肉の油は健康に良いの?
・グラスフェッドの方が牛肉の油は良い?
・健康に良い油を含む牛肉はあるの?
こういったお悩みに答えます。
目次
・牛肉の油は、ココナッツオイルより健康に良い
・健康に悪い油が少ないおすすめの牛肉ランキング
・健康のために牛肉を食べる時に気を付けたいこと
牛肉は健康に悪い、グラスフェッドなら良いと意見が分かれていてどちらがいいのか分かりにくいですよね。この記事では、牛肉に含まれる油が健康に良いのかを調べた結果から、牛肉に含まれる健康に良い油、おすすめ牛肉のランキング、牛肉を食べる時に気を付けること、をまとめてご紹介します。
牛肉の油は、ココナッツオイルより健康に良い
その1:牛肉の油と鶏肉の油では牛肉の方が良い
牛肉に含まれる油には良いものも、悪いものもあります。お肉もオイルも食べるものを選ぶときは、身体に悪い油の少ないものを選んだ方が良いです。
牛肉の油が健康に良いのか結論から言うと、身体に良い油が多いです。
牛肉には一価不飽和脂肪酸が多く、身体に悪いと言われている飽和脂肪酸は脂身でなければ、お肉100g当たり約5gのものもあります。
お肉の部位によっても油の量は変わりますが、鶏肉のもも肉の皮つきとあまり飽和脂肪酸の量が変わらないものもあります。
鶏肉は身体に必要な油のオメガ3とオメガ6のバランスが悪く、オメガ6の量が多いです。
オメガ3は、主に炎症を抑えたり、細胞の柔らかさをつくる役割を持っている油です。オメガ6は、主に炎症を起こしたり、細胞の硬さを作る役割を持っている油です。
この2つはバランスよく摂らないと体の不調を起こしますが、牛肉には鶏肉や豚肉のよりもオメガ3とオメガ6のバラスが良いお肉が多いです。
牛肉は、身体に悪い油の少ないお肉を選んで野菜と一緒に美味しく適度に食べれば、ビタミンやミネラルなど栄養が摂れて健康に良いです。
その2:牛肉に含まれる良い油
身体に悪い油と言われる飽和脂肪酸にも種類があり、飽和脂肪酸の中のステアリン酸はちょっと変わった油です。
ステアリン酸は、牛肉の油全体の約10%くらい含まれていて、体に吸収されにくい脂質の種類です。
理由は、油の種類は長さでも区別されたりしますが、ステアリン酸は油の中でも長さが長いので、MCTオイルなどの他の油より分解されにくいです。
ステアリン酸は、食べてもラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸という飽和脂肪酸より血液中のLDLコレステロールが上がりにくいという特徴があります。飽和脂肪酸の中では、身体に悪いものでもなく、良いものでもない油です。
牛肉の油全体に含まれる油の中で一番多いのは一価不飽和脂肪酸で、パルミトレイン酸という油も含まれています。パルミトレイン酸は、血管壁の材料になり血管を丈夫にすると言われている油で、身体に良い油の1つです。
ヘーゼルナッツオイルでは油全体で約24%含まれていますが、牛肉の部位によっては油全体の約50%も含まれているお肉もあります。例えば、リブロースの脂身100gのうち、ステアリン酸以外の飽和脂肪酸は約22g、一価不飽和脂肪酸が約47g、一価不飽和脂肪酸のうちパルミトレイン酸は約4.2g、含まれています。
リブロースの脂身は牛肉の中でも一番油の多いですが、半分以上は一価不飽和脂肪酸、ステアリン酸は約10%、ステアリン酸以外の飽和脂肪酸は約27%しかないです。
脂身以外の場合は、多くてもステアリン酸以外の飽和脂肪酸は約15gまでです。豚のロース肉の脂身つきの場合は100g当たり約18gなので、豚肉よりも健康に良い油が多いです。
その3:牛肉よりもココナッツオイルの方が身体に悪い
植物由来のオイルには健康に良いオイルが沢山あります。マカダミアナッツオイル、エクストラバージンオリーブオイル、えごま油、アマニ油などですが、絶対に食べない方が身体に悪いオイルがあります。それは、ココナッツオイルです。
ココナッツオイルは健康に良いというイメージをもっていませんか?同じ10gのものを食べるならココナッツオイルより牛肉の油の方が健康に良いです。
理由は、ココナッツオイルにはラウリン酸・ステアリン酸・パルミチン酸が多いからです。ラウリン酸・ステアリン酸・パルミチン酸は、ココナッツオイルは10g合計で約7g、牛肉で一番が油の多い脂身10gは合計で約2.6gなので、ココナッツオイルの方が身体に悪い油が多いです。
ラウリン酸・ステアリン酸・パルミチン酸の摂りすぎは、血液中のLDLコレステロールが上がりやすい油で食べすぎると脳梗塞や心筋梗塞にかかりやすくなる原因になります。ココナッツオイルを食べるなら、身体に悪い油が少ない牛肉の方が良いです。
健康に悪い油が少ないおすすめの牛肉ランキング
どんな油が健康に良いのか調べた結果をランキングにまとめました。お肉を食べる時の参考にしてみて下さい。
その1:生のお肉で良い油が多い牛肉ランキング
1位:子牛のリブロース 皮下脂肪なし
2位:せんまい
3位:子牛のもも肉 皮下脂肪なし
4位:レバー
5位:輸入牛肉 ランプ 赤肉
その2:調理したお肉で良い油が多い牛肉ランキング
1位:ゆでたすじ
2位:ゆでたこぶくろ
3位:ゆでたみの、がつ
4位:ゆでた輸入牛肉 もも肉 皮下脂肪なし
5位:焼いたもも肉 皮下脂肪なし
その3:加工食品で良い油が多い牛肉ランキング
1位:味付け缶詰
2位:ビーフジャーキー
3位:ローストビーフ
4位:コンビーフ
5位:スモークタン
健健康のために牛肉を食べる時に気を付けたいこと
その1:グラスフェッドかどうかより身体に悪い油が少ない方が良い
鶏肉や豚肉はオメガ6が多いですが、牛肉はオメガ3とオメガ6を1:1に近い状態で含むものもあります。
グラスフェッドというのは牧草飼育のことですが、牧草飼育の牛肉にはオメガ3とオメガ6が1:1くらいで含まれているので身体に良いと言われています。
牛肉でも鶏肉でも、植物由来の油でも飽和脂肪酸を含んでいるものはあります。オメガ3が少ないことよりも、良い油が多くて悪い油が少ないお肉を適度に食べれば健康に悪いものではないです。
飽和脂肪酸が多い食べ物を減らして、オメガ3とオメガ6をバランスよく摂りながら足りない油を身体に良い油を含む食べ物から摂ることの方が大事です。
その2:牛肉を食べる量は1日60g~100gくらい
牛肉には、飽和脂肪酸も含まれるので、できれば食べない方が良いです。
理由は、お肉に含まれる飽和脂肪酸の量が鶏肉や豚肉に比べて多いからです。飽和脂肪酸は食べ過ぎると、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなる可能性があります。
牛肉に含まれる飽和脂肪酸は、ステアリン酸を除く飽和脂肪酸だけでも多いものは100g当たり約15gも含まれています。
飽和脂肪酸は総エネルギーの7%以下が良いと言われているので、1日の食事から摂る総カロリーが2000kcalの人の場合、1日に食べれる飽和脂肪酸の量は約15gです。
飽和脂肪酸の摂りすぎは健康に良くないので、牛肉を食べる時は油の少ない部位を選ぶか、油の多い部位でも1日100g以下にした方が良いです。
その3:牛肉を食べる時は、野菜と一緒に美味しく食べる
牛肉はあまり食べない方が良いですが、牛肉が食べたい時は野菜を一緒に食べると良いです。
牛肉には、鉄、亜鉛、たんぱく質などの栄養も含まれていますが、食物繊維が入っていないので、サラダも一緒に食べて腸内環境を整えた方が良いです。
理由は、脂質とたんぱく質の多い食事を続けると腸内悪玉菌が増えて、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌とどちら味方にもなる菌が有害物質を沢山つくるからです。
腸内細菌の善玉菌の大好物はオリゴ糖や食物繊維、悪玉菌の好物は脂質やたんぱく質です。
どちらの味方にもなる菌は日和見菌と呼ばれたりもする菌で、通常は特に何も害を起こしたりはしません。
どちらでもない菌は、腸内で善玉菌か悪玉菌のどちらかが多いと、多い方の菌に味方をします。
善玉菌は食物繊維やオリゴ糖を使って酢酸や酪酸という酸性の油を作り出し、悪玉菌が増えないようにしています。
善玉菌は腸の中の蠕動運動を促す役割もあるので、オリゴ糖や食物繊維がないと活動できません。牛肉には脂もたんぱく質も含まれているので、毎日牛肉だけ食べると腸内の悪玉菌が増えやすくなる可能性があります。
お肉を食べるなら、枝豆、サンチュ、キャベツ、ブロッコリーなどの野菜も美味しく一緒に食べた方が身体に良いです。
まとめ
ネットの情報や書籍のダイエットには、絶対に良いと思ってやっていると、身体の調子が悪くなるものがあります。
ココナッツオイルは健康に良いと言われていた時期がありましたが、油の成分をじっくりみてしてみると危険な油がぎっしり詰まっています。
牛肉の油は身体に悪い油も入ってはいるけれど、身体に人間の身体にとって良い油も沢山入ってます。
鶏肉は脂質が低くて良いですが、牛肉も種類を選んで、適度に美味しく食べれば身体に良い油を摂ることもできます。
牛肉で私のおすすめのお肉は、100gのローストビーフ、ランプ、そともものお肉、肩のお肉、サーロイン、リブロース、です。
健康のために大豆を食べるのもいいですが、牛肉が食べたい時は適度に美味しくお野菜と一緒に食べると良いです。
この記事では、牛肉に含まれる健康に良い油、おすすめ牛肉のランキング、牛肉を食べる時に気を付けること、をまとめてご紹介しました。
他の記事では、鶏肉の油が健康に良いか調べた結果のまとめ、健康に良い油のご紹介もしているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
健康に良い油について興味のある方はこちらもご覧ください。<健康に良い油ってどんな油?油に含まれる脂質を解説>
鶏肉の油が健康に良いか興味のある方はこちらもご覧ください。<[まとめ]鶏肉の油は健康に良い?鶏肉を食たい時の対処法>
参考文献:
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成編 可食部100g当たり 肉類」