・ツナ缶の油は健康に良い?
・健康に良いツナ缶は油が多い方?少ない方?
・ツナ缶は沢山食べても健康に良い?
こういったお悩みに答えます。
目次
・ツナ缶は油も中身も健康に悪い理由
・ツナ缶とツナ缶以外の缶詰を比較するとイワシの水煮が一番いい
・ツナ缶を食べる時に健康のために気を付けること
ツナ缶はたんぱく質やDHA・EPAの摂れる保存できる便利な食材に見えませんか?この記事では、健康に良さそうに見えるツナ缶が健康に良いのか調べた結果をまとめて解説します。
ツナ缶は油が健康に悪い理由
その1:油漬けのツナ缶はリノール酸が多い
油漬けのツナ缶に含まれる油の約半分は、摂りすぎると健康に悪いオメガ6という油が含まれています。
例えば、キハダマグロの油漬けのツナ缶含まれている油は、飽和脂肪酸が3.37g、一価不飽和脂肪酸が4.86g、オメガ6が10.76g、オメガ3が1.4gです。
ビンナガマグロの油漬けのツナ缶に含まれている油は、飽和脂肪酸が4.85g、一価不飽和脂肪酸が4.24g、オメガ6が11.18g、オメガ3が0.55gです。
身体に悪い油が多い原因は、ツナ缶の作る時に魚を煮た後、煮汁を捨てて魚に大豆油などのリノール酸の多い油を足して缶詰を作っているからです。
DHAやEPAはオメガ3と呼ばれる油の種類の1つで、リノール酸はオメガ6という油の種類の1つです。
オメガ3は細胞膜の柔らかさや炎症を抑える物質の材料になりますが、オメガ6は細胞膜の硬さや炎暑を起こす物質の材料になります。
リノール酸などのオメガ6を多く摂りすぎると、アレルギー、認知症、脳梗塞、心筋梗塞になる可能性が高くなります。
オメガ3とオメガ6は身体の中でつくれないので食べ物からバランスよく摂る必要があり、18歳以上の男女に必要なオメガ6の量は1日約8g・オメガ3は約2g、オメガ3とオメガ6は1:1~1:4のバランスで摂ると良いと言われています。
油漬けのツナ缶80gを1個で1日分のオメガ6が摂れるので、オメガ6を含む食材を他に食べてしまったらオメガ6の摂りすぎになります。
オメガ3の量も少ないので、たんぱく質や身体に良い油を摂る目的でツナ缶を食べるのはやめた方が良いです。
その2:油漬けのツナ缶も水煮のツナ缶もDHA・EPAが少ない
DHAやEPAなどの健康に良いと言われているオメガ3の量は、焼いたサンマよりも少なく、えごま油4gよりも少ないです。
キハダマグロの油漬けのツナ缶含まれているオメガ3は、1.4gです。ビンナガマグロの油漬けのツナ缶に含まれているオメガ3は、0.55gです。
焼いたサンマの皮と身だけに含まれる油は、全体で14.1g、飽和脂肪酸が3g、一価不飽和脂肪酸が7.53g、オメガ6が0.35g、オメガ3は2.58gです。
えごま油は4gにはオメガ3は約2.4g含まれています。キハダマグロの水煮のツナ缶に含まれるオメガ3は0.15g、ビンナガマグロの水煮のツナ缶の場合は0.62gです。
ツナ缶はオメガ3が含まれているから健康に良いと言われていますが、実際はえごま油や焼いたサンマの方がオメガ3と身体に良い油が多いです。
他の食材と比べると、ツナ缶は食べる身体に良い油が少ないので、食べるメリットはないです。
その3:ツナ缶は刺身や焼いたサンマより塩分が多い
ツナ缶で一番塩分が少ないのは、キハダマグロの水煮のツナ缶で塩分が0.5g含まれています。
ツナ缶を食べる時にそのままならいいですが、サラダや炒め物にする時に、塩や醤油などを加えて味付けしたりしていませんか?
1日の塩分の目標量は18歳以上の男性は7.5g、女性は6.5gです。WHO世界保険機関の食塩摂取基準では5g未満と言われているので、ツナ缶に塩や醤油で味付けしてしまうと塩分の摂りすぎになりやすいです。
キハダマグロの水煮のツナ缶80gには約0.4g、油漬けのツナ缶は80gに約0.72gの塩分が含まれています。
薄口醤油の大さじ1(約18g)には、約2.9gの塩分が含まれています。減塩醤油の濃い口でも大さじ1(約18g)で塩分が約1.5g含まれています。
醤油や塩で味付けして食べるならサンマの刺身の方が良いです。サンマの刺身100gに含まれる塩分は0.3g、生のサンマでも100gで塩分0.3gです。
塩で味付けされていない魚であれば塩分はツナ缶よりも少なくなるので、魚を刺身か生のものを焼いて食べる方が良いです。
ツナ缶とツナ缶以外の缶詰を比較するとイワシの水煮が一番いい
その1:油漬けと水煮の缶詰を比べると、どの種類も水煮の方が良い
ツナ缶、イワシの缶詰め、まぐろの缶詰、カツオの油漬けと水煮と比較すると、どれも缶詰に含まれる油の約半分はオメガ6です。
水煮になると、ツナ缶は全体の油と一緒にオメガ3の量が減ってしまいます。サバ缶、イワシの缶詰の水煮は、ツナ缶よりもオメガ3を多く含み、オメガ6が少ないです。
水煮であればサバ缶もイワシの缶詰でも1缶80g当たりでオメガ3が約2g、オメガ6は0.25g未満、飽和脂肪酸は2.2g未満です。
飽和脂肪酸は摂りすぎると、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞になる可能性が高くなる身体に悪い油です。
油漬けは身体に悪い油が多いですが、サバ缶かイワシの缶詰の水煮であればオメガ3と身体に害が少ない油が多いです。
カツオの味付けフレークは、缶詰の中では塩分が高く身体に良い油も少ないので、食べるのであればサバかイワシの水煮の缶詰を選んだ方が良いです。
その2:水煮のイワシの缶詰とサバ缶では、イワシの缶詰の方がおすすめ
水煮のサバ缶の具のみ100gに含まれている油は、飽和脂肪酸が2.42g、一価不飽和脂肪酸が3.47g、オメガ6が0.3g、オメガ3が2.73gです。
水煮のイワシの缶詰めの具のみ100gに含まれている油は、飽和脂肪酸が2.71g、一価不飽和脂肪酸が2.22g、オメガ6が0.24g、オメガ3が2.92gです。
両方とも100g当たりに含まれる油の全体量は同じくらいですが、イワシの缶詰の方が良いです。理由は、身体に良い油が多いからです。
塩分が気になる場合は、わずかではありますがイワシの方が塩分が少ないので、選ぶならイワシの水煮の缶詰がおすすめです。
その3:味付けした缶詰の場合は、サバの味噌煮の缶詰が良い
色々忙しくて料理を作るのが大変な日は、すぐに食べれるものが欲しい時がありませんか?
味付けした缶詰は塩分が高いのでおすすめできませんが、手軽に食べたい人のためにオメガ3を多く含む味付けした魚の缶詰を調査しました。
ここでは、イワシのかば焼き(煮汁あり)、サンマの味付け(具のみ)、サバの味噌煮(具のみ)、イワシの味付け(具のみ)、サバの味付け(具のみ)、イワシのトマト漬け(具のみ)、サンマのかば焼き(煮汁あり)、カツオの味付けフレーク(煮汁あり)、アンチョビ(具のみ)、まぐろの味付けフレーク(煮汁あり)の10種類を比較した結果を解説します。
結論から言うと、オメガ3が一番多いのはイワシのかば焼きの缶詰です。塩分が高く、身体に良い油が少ないので食べない方が良いのは、カツオの味付けフレーク、アンチョビ、まぐろの味付けフレークの3つです。
他の缶詰は、どれも1缶80gで約2g以上のオメガ3が摂れて身体に良い油が多いです。
塩分が気になる場合は、イワシのかば焼きは100g当たりで1.5gも塩分が含まれているので、サバの味噌煮かイワシのトマト漬けを選ぶと良いです。
イワシのトマト漬けの具のみ100g当たり0.7g、サバの味噌煮の具のみ100g当たり1.1g塩分が含まれていて、味付けした缶詰の中では塩分が少ない種類です。
オメガ3が摂れる味付けした缶詰が欲しい場合は、サバの味噌煮を選ぶ良いです。
ツナ缶を食べる時に健康のために気を付けること
その1:BPA不使用の缶詰を選び、ツナ缶を食べるのは必要な時だけ
水煮のツナ缶であればオメガ3多く含むからといって毎日食べるのは、あまりおすすめできないです。
理由は、魚にはメチル水銀が含まれているものがあり、大きさが大きい魚の方が水銀が含まれる量が多いです。
ツナ缶もメチル水銀が含まれているものがあり、日本でも水銀濃度に関する検査が行われていて、調査の結果ではツナ缶にもメチル水銀が含まれていることがわかっています。
アメリカではツナ缶の食べ過ぎで水銀中毒になった人もいるので、ツナ缶は毎日食べない方が良いです。
ツナ缶には、メチル水銀以外に缶詰の中身がこぼれるのを防ぐために使われるコーティング剤で身体に有害なものがあります。
有害コーティング剤にはBPA(ビフェノールA)と呼ばれるコーティング剤があり、食べすぎると高血圧やガンになる可能性が高くなると言われています。
缶詰を選ぶときはBPA不使用のものを選び、食べる量は多くても週1個までにした方が良いです。
その2:油漬けのツナ缶は油を切って使い、油は捨てる
油漬けのツナ缶を使いたい場合は、油を切って使った方が良いです。油を切ってもオメガ6は具についていますが、油を切った方が身体に悪い油の量は減らせます。
油漬けのツナ缶からでた油は、キッチンペーパー・古布・新聞紙などにしみ込ませてビニール袋に入れて可燃ごみに捨てた方が良いです。
勿体ないと食べてしまうと大量のオメガ6を摂ることになります。油をとっておいて少しづつ料理に使うのはやめた方が良いです。
油は空気に触れると酸化がすすむため、使い切る前に酸化した油になります。酸化した油は少量でも摂り続ければ病気の原因になる可能性もあるので、油漬けのツナ缶詰の油を何日かに分けて料理などに使わない方が良いです。
その3:ツナ缶が必要な時以外は魚・フラックスシード・えごま油などの食材を食べる
油漬けのツナ缶は便利ですがオメガ6が多く、DHAやEPAなどの身体に良い油が少ない食材です。
水煮のツナ缶はオメガ3も含まれていて便利ですが、メチル水銀が含まれていないわけではないです。
油漬けも水煮のツナ缶もサンマの刺身と比べて塩分が高いです。メチル水銀が含まれていないオメガ3を多く含む油を摂りたい時は、えごま油、アマニ油、チアシード、フラックスシード、えごま、などオメガ3を多く含む食材を食べた方が良いです。
魚から身体に良い油とビタミンB群などの栄養も摂りたい場合は、サバ、サンマ、鮭、イワシなどの魚を食べると良いです。魚にも良い油を多く含む魚と悪い油が多い魚があります。
身体に良い油の多い魚については別の記事でまとめて解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
身体に良い油が多い魚に興味のある方は、こちらをご覧ください。<魚の油って健康に良いの?魚に含まれる油の調査のまとめ>
まとめ
ツナ缶は健康に良いと言われていますが、ツナと一緒にメチル水銀、缶詰に使われるコーティング剤、加工に使われる油など身体に良いとは言えないものも入っています。
ツナ缶は油漬けでも水煮でもオメガ3は、水煮のサバ缶やイワシの缶詰よりも少ないです。魚の缶詰を保存用に置いておくなら、ツナ缶よりもオメガ3が多い水煮のサバ缶やイワシの缶詰がおすすめです。
この記事では、ツナ缶は油が健康に悪い理由、ツナ缶とツナ缶以外の缶詰を比較した結果、ツナ缶を食べる時に健康のために気を付けること、を解説しました。
他の記事では、健康に良いオイルや健康に良い油を含む食材について解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
健康に良いオイルに興味のある方は、こちらをご覧ください。<健康に良いオイルをお探しですか?健康に良いオイルは5種類を解説>
健康に良い油を含む食材について興味のある方は、こちらをご覧ください。<[まとめ]健康に良い油・悪い油を含む魚・肉・ナッツのランキング>
参考文献:
文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成表編-可食部100g当たり」
厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」