・マグロの油って他の魚の油に比べて健康に良いの?
・マグロの油とえごま油の油とどちらが健康に良い?
・健康に良い油欲しいけど、マグロの油で作ったサプリの方が良い?
こういったお悩みに答えます。
目次
・健康に良い油はマグロの油からでなくても他の食品から摂れる
・マグロの油やえごま油で健康に良い油を摂るメリット・デメリット
・健康に良い油を摂りたい時は、魚かえごま油がおすすめ
マグロの油が健康に良いのは本当?マグロの油にはDHAやEPAが多くて身体に良いって言われているから、フィッシュオイルのサプリメントやツナ缶を食べよう!って思ったことはありませんか? マグロの油が健康に良いのかどうか気になった方へ、この記事では、マグロの油が健康に良いのか調べた結果をまとめて解説します。
健康に良い油はマグロの油からでなくても他の食品から摂れる
その1:サンマやノルウェーサバにも身体に良い油は含まれている
マグロの油はオメガ3が入っているから身体に良いと言われていますが、実際のところはどうなのか?結論から言ってしまうとマグロの脂身よりも、しめ鯖の方がオメガ3が多いです。
マグロもクロマグロの脂身であれば、100g当たりにオメガ3が5.81g含まれていますが、焼いたノルウェーサバの方がオメガ3が多いです。
焼いたノルウェーサバの可食部のみ100gには、飽和脂肪酸4.59g、一価不飽和脂肪酸10.78g、オメガ6は0.73g、オメガ3は6.5g、含まれています。
飽和脂肪酸は、食べ過ぎると糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などになる可能性が高くなる身体に悪い油です。
オメガ6は、身体の中でつくれない油なので食べ物から摂る必要がある油ですが、食べ過ぎると身体に悪い油です。
魚は牛肉や豚肉などの他の肉類よりもオメガ3と一価不飽和脂肪酸が多いので健康に良いと言われています。
マグロの脂身は魚の中では良い油が多い種類ですが、サンマやノルウェーサバの方が身体に良い油が多く、魚に含まれるメチル水銀の量も少ないです。
身体に良い油を摂るならマグロを食べるより、サンマやサバを食べた方が良いです。
その2:食事から摂ったαリノレン酸からもDHA・EPAはつくられる
人間の身体の中では、αリノレン酸という油を使ってDHAやEPAを作ることもできます。
αリノレン酸は、えごま、フラックスシード、チアシード、などに多く含まれています。えごま油、アマニ油、チアシードオイル、サチャインチオイルなどが健康に良いといわれるのはオメガ3を多く含んでいるからです。
1日に必要なオメガ3は、18歳以上の場合は2g以上は必要と言われています。えごま油の場合は、オイルの約50%以上はオメガ3が含まているので、小さじ1杯(約4g)で2g以上のオメガ3を摂ることができます。
食べ物から摂ったαリノレン酸からDHAやEPAに合成される量は個人差はありますが、若い男性の場合はEPAが約8%、DHAは約0~4%が作られると言われています。若い女性の場合は、EPAは約21%、DHAは9%作られると言われています。
DHAやEPAが作られる量は、DHAやEPAを作るのに必要な栄養が揃っていない場合は合成量が減ると言われています。
DHA・EPAを身体の中で作り出すことが難しい場合は魚を食べた方が良いですが、オメガ3を摂りたい場合はマグロやマグロの油ではなく、えごま油でも良いです。
その3:サプリメントよりも焼きサンマの方がDHA・EPAが多い
オメガ3はマグロだけでなく、マグロの油を使って作ったサプリメントからも摂ることができます。
マグロの油を使って作ったサプリメントは品質を見極めて買わないと、オメガ3だけではなく他の油も混ぜて販売されている身体に悪いものもあります。
サプリメントは品質のいい商品でも、1日分で150円以上するものもあります。
オメガ3が摂れる量をサプリメントで摂れる1日分の量と魚100gから摂れる量を比べたら、魚の方がオメガ3が摂れる量が多く値段が良いものもあります。
例えば、サプリ1日分が4gのものの中にEPA・DHAが合計で960mg含まれている商品の場合、同じ量のDHAやEPAをサンマの刺身を食べて摂る場合は約21.9g、焼いたサンマ(可食部:皮と身のみ)の場合は約53.5gを食べればサプリメントとほぼ同じ量のDHA・EPAを摂ることができます。
サプリメントの1日分の値段が198円以上の場合、中くらいの大きさの焼いたサンマを食べた方が良いです。
マグロの油やえごま油などで健康に良い油を摂るメリット・デメリット
その1:マグロの油で作ったサプリからオメガ3を摂るメリット・デメリット
メリット
マグロの油で作ったサプリメントは保存状態が良ければ、DHA・EPAを手軽に摂れるのでオメガ3を摂りたい時に良いです。
食事をたくさん食べられない人でも、サプリを飲むだけでオメガ3が摂れるので便利です。
デメリット
サプリメントは、原材料・製造方法・保管状態で品質が変わります。
フィッシュオイルの場合は、原材料が新鮮な魚でメチル水銀などの重金属が少ないもの、製造方法は低温圧搾法で油が作られていて他のオイルを混ぜて製造されていないもの、を選んだ方が良いです。
保管状態については、商品が届くまでわからないです。理由は、製造されてから手元に届くまでにどこでどんな風に保管されていたのかを確認できないからです。
フィッシュオイルのサプリメントは、保管状態が悪いと中の油が悪くなります。サプリメントの鮮度の確認方法は、食べる前にカプセルに入っているものは1粒割って中のオイルの臭いで判断すると良いです。
オイルからガソリンのような嫌な臭いがしたら油が悪くなっているので食べないでください。サプリメントの中には危険なものもあり、長期間食べ続けたことで腎臓が悪くなってしまったなどの健康被害がでたという人もいます。
サプリメントを食べる場合は、食べて身体の調子が悪くなっても自己責任になるので、できれば食べるのはやめた方が良いです。
その2:焼き魚からオメガ3を摂るメリット・デメリット
メリット
1日のオメガ3の目安量は18歳以上では2g以上必要といわれています。
魚で2g以上のオメガ3を摂る場合は、焼いたサンマは約5/6本(可食部で約78g)、焼いた銀鮭は約1切れ(可食部で約54g)、焼いたブリは約1切れ(可食部で約54g)、しめ鯖は約32g、です。
焼いた銀鮭を1切れ食べれば1日に必要なオメガ3は摂れるので、新鮮なものを焼いて食べればサプリメントを摂るより安く身体に良い油が摂れます。
デメリット
魚類のアレルギーのあるなど魚が食べれない場合は、えごま油やアマニ油の方が良いです。
アレルギーはなくても家で魚を焼くと魚の臭いがキッチンに残るので、魚の臭いがキッチンに残るのが嫌いな人は刺身の方が良いです。
魚は鮮度が悪くなると生臭くなり油も酸化するので、長期保存ができません。1カ月などの長期保存ができるものが良い場合は、えごま油の方が良いです。
その3:えごま油からオメガ3を摂るメリット・デメリット
メリット
えごま油の油には、オメガ3が約60%以上含まれています。えごま油に含まれているオメガ3は、αリノレン酸という種類のものです。
えごま油は、冷蔵保存で1カ月ほど保管でき、新鮮なものは味や香りにクセが少ない油です。
油に味やクセが少ないので、胡麻和え、白和え、納豆に混ぜても美味しく食べれます。
基本的には、保管状態が良ければ冷蔵庫で1カ月くらいは保管できるオイルです。
デメリット
αリノレン酸は身体の中でDHAやEPAに合成されて使われますが、どのくらい合成されるかは人によって個人差があります。DHAやEPAを摂りたい場合は、えごま油よりも魚の方が良いです。
えごま油を使う場合は、油によっては溶剤を混ぜて油を作るなど身体に悪いものがあり、原材料・製造方法・保管状態を見極めて買う必要があります。
保管する時は、熱や光に弱く酸化しやすいので、冷蔵庫か冷凍庫でしか保管できません。
食べる時も加熱調理ができず、夏場などの気温が高い時は常温で30分放置するとオイルから魚の臭いがしてきます。
えごま油は酸化すると魚のような臭いがするので、オイルは食べる時に出して使い、使わない時は冷蔵庫に保管した方が良いです。
健康に良い油を摂りたい時は、魚かえごま油がおすすめ
その1:DHA・EPAを多く摂りたい人は、魚がおすすめ
DHAやEPAを多く摂りたい場合は、サプリやえごま油を食べるよりも魚の方がおすすめです。
サプリは原材料・製造方法・保管状態を確認して買わないと値段が高く身体に悪い油の入ったものを食べることになります。
えごま油は人によって身体の中でどの程度DHAやEPAになるかは個人差があるので、DHAやEPAを摂りたい場合にはおすすめできません。
マグロやメカジキなどの大きい魚はメチル水銀を多く含むものがあります。DHAやEPAが多い魚を焼き魚で食べるなら、サンマ、ノルウェーサバ、銀鮭、まるアジ、にしまアジ、マイワシ、などがおすすめです。
魚は焼いて食べるより新鮮なお刺身を食べた方が良いです。理由は、焼き魚やフライにして食べると生の魚よりも多めに食べる必要があるからです。
魚に含まれるオメガ3は焼くと約30%減るので、焼き魚よりは煮魚にして煮汁も一緒に食べると良いです。
その2:魚のメチル水銀が心配な人は、えごま油がおすすめ
魚に含まれるメチル水銀が気になる方は、えごま油を使うと良いです。
えごま油も原材料・製造方法・品質を確認して買えば、冷蔵庫であれば1カ月保管できる身体に良い油を含むオイルです。
商品を選ぶときは、原材料はオーガニックマークのあるもの、製造方法は未精製の低温圧搾法、容器は遮光瓶か透明の瓶は箱に入っているもの、の3つの条件を満たしているものを選ぶと良いです。
えごま油には、オメガ3がどのくらい身体の中でDHAやEPAに使われるかは個人差がありますが、オメガ3は摂ることができます。
保管ができるオメガ3の摂れる油が欲しい人には、えごま油がおすすめです。
その3:食事のコストを少なめにしたい時は、魚とえごま油がおすすめ
食事にあまりコストがかけられない時は、魚とえごま油の両方を使うのがおすすめです。
魚は季節や時期によって値段が大きく変わりますが、サンマやサバなどはDHAやEPAを多く含んでいます。
魚にはたんぱく質や疲労回復に役立つビタミンB群も含まれているので、魚が安い時には魚を食べると良いです。
魚が買えない時は、えごま油を使うと良いです。えごま油は、品質の良いものを選んで買えば1日に必要なオメガ3を魚よりも安く摂ることもできます。
DHAやEPAにつくり変える量が人によって個人差があるのがデメリットですが、えごま油小さじ1杯(約4g)で約2g以上のオメガ3を摂ることができます。
食事であまり沢山の量を食べられない人や食事にコストをかけられない人は、魚とえごま油の両方を活用してオメガ3を摂る方がおすすめです。
まとめ
マグロの油もオメガ3などの健康に良い油は入っていますが、マグロでなくても身体に良い油は摂ることができます。
マグロなどはメチル水銀の量が多いので、魚を食べるのであれば、サンマ、ノルウェーサバ、イワシ、鮭、アジなどの魚の方が良いです。
えごま油やオメガ3を多く含む魚を食べれば、マグロの油で作ったサプリメントを食べなくても身体に良い油を摂ることができます。
フィッシュオイルなどのサプリメントやマグロだけでなく、サンマやノルウェーサバ、えごま油を活用して美味しく食べてみてはどうですか?その方が身体にもお財布にも優しいです。
この記事では、マグロの油以外からも健康に良い油を摂れる理由、マグロの油やえごま油で健康に良い油を摂るメリット・デメリット、健康に良い油を摂りたい時は魚かえごま油がおすすめな理由、を解説しました。
他の記事では、健康に良い魚や健康に良い油を含む食べ物の解説をしているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
健康に良い魚に興味のある方はこちらをご覧ください。<現在、執筆中>
健康に良い油を含む食べ物に興味のある方はこちらをご覧ください。<[まとめ]健康に良い油・悪い油を含む魚・肉・ナッツのランキング>
参考文献:
厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」
厚生労働省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成表編-可食部100g当たり」
肝切除と脂肪代謝/土師誠二 著