オイル・油 健康

[解説]オイルサーディンよりもイワシの缶詰の方が健康に良い理由

 

 

 

・オイルサーディンは健康に良いの?

・オイルサーディンにはどんな栄養が含まれているの?

・オイルサーディンと他の缶詰とどちらが健康に良い?

 

こういったお悩みに答えます。

 

 

 

目次

・オイルサーディンは健康に良くない理由

・オイルサーディン、イワシの缶詰の種類と栄養

・[目的別]オイルサーディン以外の健康に良いおすすめの缶詰

 

 

 

オイルサーディンは健康に良いと言われているけど、イワシの缶詰と比べたらどちらが健康に良いかわかりにくいですよね。この記事では、オイルサーディンがイワシの缶詰と比べて健康に良いのか調べた結果をまとめて解説していきます。

 

 

 

オイルサーディンは健康に良くない理由

 

 

 その1:オイルサーディンには、オメガ3と一緒にオメガ6が多く入っている

 

オイルサーディンは油漬けにしたイワシの缶詰なので、オメガ3が多く入っていて健康的に見えませんか?

青魚はDHAやEPAを多く含んでいて健康に良いと言われていて、イワシも健康に良い魚です。オイルサーディン100gには、DHAやEPAなどのオメガ3が2.45g含まれていますが、オメガ3以外にオメガ6が11.45g含まれています。

1日に必要なオメガ3は18歳以上で2g以上、オメガ6は8gくらいですが、オイルサーディンを100g食べたらオメガ6の摂りすぎになります。

オイルサーディンに含まれる油にオメガ6が多くなってしまう原因は、油漬けに使われる油にオメガ6を多く含む大豆油や綿実油が使われていることが多いからです。

オメガ6は卵、鶏肉、豚肉などの他の食材にも含まれていて、食べ過ぎるとアレルギー、認知症、脳梗塞、心筋梗塞になる可能性が高くなります。

オメガ3とオメガ6は1:1~1:4の割合で摂る必要がある身体の中でつくれない油なので、摂るバランスが大切です。

オメガ3やDHA・EPAを摂るためにオイルサーディンを食べるのであれば、アトランティックサーモンかカタクチイワシを食べた方が良いです。

DHAやEPAが含まれた長期保存ができるものが欲しい時は、イワシの水煮の缶詰の方が良いです。

 

 

その2:オイルサーディンには、飽和脂肪酸が多く含まれている

 

飽和脂肪酸は1日の総カロリーの7%以下が良いと言われています。1日の総カロリーが2000kcalの場合は1日の飽和脂肪酸の上限は約15.5gまでになります。

オイルサーディン100gには飽和脂肪酸が7.05g含まれているので、飽和脂肪酸の食べすぎになりやすいです。

飽和脂肪酸も他の食材にも含まれていて、オイルサーディン100gに含まれる飽和脂肪酸は、1日の総カロリーが2000kcalの場合は1日の約半分量になります。

飽和脂肪酸の摂りすぎは、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、などになる可能性が高くなるので、オイルサーディンはできれば食べない方が良いです。

 

 

 その3:オイルサーディンよりもイワシの水煮の缶詰の方が健康に良い

 

オイルサーディンに使われているイワシは健康に良い食材ですが、加工に使われるオイルのほとんどは、大豆油か綿実油が多いので食べない方が良いです。

オイルサーディンの中には、米油やエクストラバージンオリーブオイルを使って作られているものもあります。

米油で作ったオイルサーディンの場合は、オメガ6の量は大豆油や綿実油よりは少ないですが、米油にはオメガ6が約37%含まれています。

米油を使って作られているオイルサーディンでも、オメガ6の摂りすぎになる可能性があるので、やめておいた方が良いです。

エクストラバージンオリーブオイルで作ったオイルサーディンの場合は、オイルが多いので油の食べすぎになる可能性があります。

オイルサーディンでは、身体に悪い油の摂りすぎたり、オイルの摂りすぎになりやすいので、身体に必要なオメガ3を摂りたい時はイワシの水煮の缶詰の方が健康に良いです。

 

 

 

オイルサーディンとイワシの缶詰の種類と栄養

 

 

その1:オイルサーディンとイワシの缶詰の種類

 

イワシの缶詰には、オイルサーディン、イワシの水煮、イワシの味付け、イワシのトマト漬け、イワシのかば焼きなどがあります。

イワシの缶詰に使われるイワシには、カタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシのなどが使われてます。

缶詰によってイワシの身の形にも違いがあり、イワシを開きにして調理したものが入っている缶詰もあれば、ぶつ切りの身が入っているものもあります。

缶詰に使われるイワシには小さめのイワシや大きめのイワシがあり、小ぶりのイワシは柔らかく食べやすく、大ぶりのイワシの方は食べごたえがあります。

小ぶりのイワシを使った商品の中にはノルウェー産の小ぶりのイワシを使って作られているものがあり、通常の小ぶりのイワシよりも柔らかく食べやすいものもあります。

オイルサーディンは油漬けに使われるオイルにいくつか種類があり、大豆油、綿実油、ひまわり油、菜種油、米油、エクストラバージンオリーブオイルなどが使われています。

オイルサーディンには、イワシを加熱して油漬けして作ったもの、燻製されたイワシが油漬けになっているスモークオイルサーディンの2種類があります。

イワシの味付けの缶詰は、砂糖・醤油で味付けしたものが多いですが、味噌煮や梅しその味付けをした缶詰もあります。

 

 

その2:オイルサーディンとイワシの缶詰の栄養の違い

 

オイルサーディンとイワシの缶詰を比べるとイワシの缶詰の方が健康に良いです。理由は、イワシの缶詰の具だけでオイルサーディンよりも多くオメガ3を摂ることができるからです。

例えば、イワシの水煮の缶詰はオメガ6の量が少なく、具だけを70gくらい食べると1日約2gのオメガ3を摂ることができます。

オイルサーディンの場合は、85gくらい食べるとオメガ3が約2g摂れますが、一緒にオメガ6を約9.8g食べることになるので健康に悪いです。

油以外の栄養では、オイルサーディン、イワシの水煮、イワシの味付けの3種類は、たんぱく質の量に大きな差はないです。

塩分は製品によって異なることがありますが、他の缶詰と比べてイワシのかば焼きは塩分と炭水化物が多いです。イワシの味付けの缶詰も塩分が多いので、料理に使う場合はイワシの水煮やイワシのトマト漬けの方が良いです。

イワシの水煮の缶詰は具だけでオイルサーディンと同じ塩分があるので、汁も一緒に摂ってしまうと塩分の摂りすぎになりやすいです。

イワシのトマト漬けも具だけ100gで塩分が0.7gあります。イワシのトマト漬けもイワシの水煮も料理に使う場合は、調味料を控えめにして料理を作った方が良いです。

 

 

オイルサーディンの栄養

炭水化物 0.3g

たんぱく質 20.3g

非必須アミノ酸 約10.48g

必須アミノ酸 約9.82g

脂質 30.7g

飽和脂肪酸 7.05g

一価不飽和脂肪酸 6.83g

オメガ6 11.45

オメガ3 2.45g

DHA 810mg

EPA 899mg

塩分 0.8g

※オイルサーディンの栄養は魚とオイルを合計した栄養です。

 

 

イワシの水煮の缶詰の栄養

炭水化物 0.1g

たんぱく質 20.7g

非必須アミノ酸 約10.69g

必須アミノ酸 約10.01g

脂質 10.6g

飽和脂肪酸 2.71g

一価不飽和脂肪酸 2.22g

オメガ6 0.24g

オメガ3 2.92g

DHA 1200mg

EPA 1200mg

塩分 0.8g

※イワシの水煮の缶詰の栄養は液汁を含まない具のみ栄養です。

 

 

イワシの味付けの缶詰の栄養

炭水化物 5.7g

たんぱく質 20.4g

脂質 11.9g

飽和脂肪酸 3.56g

一価不飽和脂肪酸 2.55g

オメガ6 0.45g

オメガ3 3.17g

DHA 1100mg

EPA 1450mg

塩分 1.4g

※イワシの味付けの缶詰の栄養は液汁を含まない具のみ栄養です。

 

 

イワシのトマト漬けの缶詰の栄養

炭水化物 1.3g

たんぱく質 17.5g

脂質 10.8g

飽和脂肪酸 3.32g

一価不飽和脂肪酸 2.51g

オメガ6 0.43g

オメガ3 2.89g

DHA 1100mg

EPA 1346mg

塩分 0.7g

※イワシのトマト漬けの缶詰の栄養は液汁を含まない具のみ栄養です。

 

 

イワシのかば焼きの缶詰の栄養

炭水化物 9.3g

たんぱく質 16.2g

脂質 15.6g

飽和脂肪酸 4.61g

一価不飽和脂肪酸 3.87g

オメガ6 0.54g

オメガ3 4.23g

DHA 1400mg

EPA 1864mg

塩分 1.5g

※イワシのかば焼きの缶詰の栄養は魚と液汁を合計した栄養です。

 

 

  その3:イワシの缶詰5種類では、イワシの水煮の缶詰がおすすめ

 

イワシの缶詰を食べる場合は、オイルサーディン、イワシの水煮、イワシの味付け、イワシのトマト漬け、イワシのかば焼きの5種類の缶詰の中では、イワシの水煮の缶詰がおすすめです。

理由は、他の缶詰と比べてオメガ3が摂れて、塩分が少なく、ビタミンB12の量が多いからです。ビタミンB12は赤血球をつくる時の材料にもなるビタミンで、不足すると貧血の原因にもなります。

ビタミンB1やビタミンB2は大豆からも摂れますが、ビタミンB12は植物由来の食べ物には含まれていないので、魚介類や海藻・肉類から摂る必要があります。

5種類の缶詰の中では、身体に必要なビタミンと一緒にオメガ3も多く摂れるイワシの缶詰を食べるのであれば、イワシの水煮の缶詰が良いです。

 

 

 

[目的別]オイルサーディン以外の健康に良いおすすめの缶詰

 

 

 その1:手軽に食べたい時は、イワシの味付けがおすすめ

 

イワシの味付けには、砂糖や醤油で味付けしたもの、味噌煮、梅しその味付けのものがあります。

メーカーによっては、生姜やお酒で煮て作ったものもあります。イワシの味付けはそのまま食べても美味しいですが、料理にも使えます。

ホウレンソウやきゅうりなどの和え物、醤油の味付けのものであればパスタにも使えます。

そのままでも料理にも使える缶詰が欲しい場合は、イワシの味付けの缶詰がおすすめです。

 

 

  その2:食べやすさで選ぶなら、イワシのかば焼きがおすすめ

 

イワシの味付けは、身がぶつ切りのものが多いです。イワシの身がぶつ切りのものが食べにくい場合は、かば焼きの缶詰の方が良いです。

理由は、かば焼きの缶詰の身はイワシを開きにして調理して作られたものが多いからです。塩分は高いですが、そのまま食べても味がしっかりしているので、おかずやおつまみとしても食べれます。

缶詰は長期保存ができるだけでなく、疲れていてできれば簡単に食事を済ませたい時や料理ができない時にあると開けてすぐ食べれるので便利です。

ぶつ切りの身よりも食べやすく、缶を開けたら食べるだけの便利な缶詰が欲しい場合は、イワシのかば焼きの缶詰がおすすめです。

 

 

その3:塩分が少なく身体に良い缶詰が欲しい場合は、イワシの水煮がおすすめ

 

イワシの味付けやかば焼きよりも塩分が少ないものが欲しい場合は、イワシの水煮を選んだ方が良いです。

理由は、具だけを食べれば他の缶詰よりも塩分が低く、ビタミンB12がイワシの味付けやかば焼きよりも多く含まれているからです。

他のイワシの缶詰からもビタミンB12は摂ることができますが、具100gでオメガ3とビタミンB12の量が多く、塩分が少ない缶詰はイワシの水煮の缶詰です。

塩分が少なく身体に良い油と栄養を摂れる缶詰が欲しい場合は、イワシの水煮の缶詰がおすすめです。

 

 

 

まとめ

 

 

オメガ3が摂れるから身体に良いと言われている魚の缶詰でも、調べてみるとオメガ3がそんなに入っていなかったり、オメガ6が大量に入っている缶詰もあります。

魚は、種類によってはメチル水銀を多く含んでいるため沢山食べない方が良い魚があり、魚の缶詰も食べる場合はできれば食べない方が良い缶詰もあります。

イワシの缶詰の場合は、他の魚の缶詰に比べてメチル水銀が含まれる量が少ないですが、食べるのは週1個か2個までにした方が良いです。

缶詰は便利ですが、メチル水銀が含まれているものはできるだけ食べないようにした方が良いので、必要な時に食べる方がおすすめです。

この記事では、オイルサーディンは健康に良くない理由、オイルサーディンやイワシの缶詰の種類と栄養、目的別のオイルサーディン以外の健康に良いおすすめの缶詰、について解説しました。

他の記事では、健康に良い魚や健康に良い油を含む食材について解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。

 

 

 

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健康に良い油を含む食材について興味のある方はこちらもご覧ください。<[まとめ]健康に良い油・悪い油を含む魚・肉・ナッツのランキング

 

 

 

 

参考文献

厚生労働省「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸組成表編-可食部100g当たり」

文部科学省「魚類-日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸組成表編-可食部100g当たり」

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