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[まとめ]ココナッツオイルは健康に良い?結論:悪い

・ココナッツオイルが健康に良いと聞くけど本当?

・ココナッツオイルが健康に良いと言われるあの話はどうなの?

・ココナッツオイルの健康効果はどんなもの?

 

こういった悩みに答えます。

 

目次

・ココナッツオイルを食べると健康に悪い理由3つ~飽和脂肪酸の摂りすぎは危険~

 

・ココナッツオイルを食べると健康に良いと言われてきた理由~ダイエット効果、認知症の予防、殺菌作用~

・ココナッツオイルをできるだけ食べないようにする対処法

 

 

 

・ココナッツオイルを食べると健康に悪い理由3つ~飽和脂肪酸の摂りすぎは危険~

その1:ダイエット効果より飽和脂肪酸の害の方が大きい~成分のほとんどは飽和脂肪酸~

ココナッツオイルは飽和脂肪酸という脂質が90%ほど含まれています。ダイエット効果があると言われている中鎖脂肪酸ですが、糖に代わるエネルギー源としてケトン体になりやすい中鎖脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸という2種類です。ココナッツオイルには、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸が含まれていまが、カプリル酸とカプリン酸は両方合わせて13%くらいです。ケトン体の効果を摂ってダイエット効果をえる前に脂質の摂りすぎで体調を崩す可能性の方が高いので、ココナッツオイルはお勧めできません。

 

その2:飽和脂肪酸の摂りすぎは脳疾患系の病気かかるリスクを上げる

飽和脂肪酸の摂りすぎは、心筋梗塞や脳梗塞などの病気にかかりやすくなるので、摂らない方が良いと言われています。心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなるのは、飽和脂肪酸を食べすぎると血中コレステロールの量が上がり、脳内のコレステロールの量も上がりやすくなることで、プラークが作られやすい状況ができるからです。コレステロールの量が増えると、LDLコレステロールの量も増えます。LDLコレステロールは血管内を通過する時に酸化しやすいとプラークなっていきます。血管壁でプラークの量が増えすぎて血管が破れ、それを修復するために血小板が集まり固まると血栓ができます。血栓が大きくなり、血液が流れていかなくなると細胞が壊れていきます。これが心臓で起きると心筋梗塞、脳で起きると脳梗塞になります。飽和脂肪酸以外にトランス脂肪酸の摂りすぎでも、血中コレステロールの量が上がり、脳内のコレステロールの量も上がりやすくなるので、トランス脂肪酸も食べないようにした方がいいです。

 

 

その3:飽和脂肪酸の摂りすぎは糖尿病にかかるリスクを上げる

心筋梗塞や脳梗塞以外にも、飽和脂肪酸を摂りすぎると糖尿病にもかかりやすくなると言われています。原因は、飽和脂肪酸の量が多い食事を続けていると糖をうまく細胞に取り込めず血糖値が高くなりやすくなること、膵臓でインスリンを作り出す細胞にも害を及ぼしてインスリンを作る細胞が壊れてしまうことで糖尿病になりやすくなるからです。わかりやすく解説すると、身体のインスリンを作り出す細胞が壊されやすくなり、インスリンを使って細胞に糖を取り込んで血糖を下げる効果が弱くなるということです。一価不飽和脂肪酸は、インスリンを作る細胞を壊してしまうことはなく害が少ないので、食べるのであれば一価不飽和脂肪酸の入ったオイルの方が良いです。

 

・ココナッツオイルを食べると健康に良いと言われてきた効果3つ

その1:ダイエット効果がある

ココナッツオイルにはダイエット効果があると言われてきたのは、2つ理由が考えられます。1つ目は、脂質を食べると満腹感や満足感があることです。糖質として吸収されやすい炭水化物よりも脂質の方が消化吸収されるのに時間がかかります。そのため、腹持ちが良くあまり空腹感を感じないので食べすぎを防げるという効果を期待できるというのもあると思います。2つ目はココナッツオイルに中鎖脂肪酸が含まれているからです。中鎖脂肪酸は糖に代わるエネルギー源として使われるケトン体になりやすいので脂肪燃焼を高める効果があると言われていますが、カプリル酸、カプリル酸、を食事に取り入れるのであればMCTオイルを使った方が良いです。

 

その2:認知症の予防

ココナッツオイルに認知症の予防効果はありません。その理由は、認知症の予防や改善に役立つと言われているのは、カプリル酸、カプリン酸を多く含むMCTオイルだからです。認知症の主な原因としては、脳にコレステロールが蓄積されやすくなり、栄養が届きにくくなるのが原因と言われています。血液中のコレステロールが高いと脳のコレステロール値も高くなる傾向があるので、飽和脂肪酸の食べすぎやオメガ6の摂りすぎはアルツハイマー型認知症になりやすくなる原因です。MCTオイルも糖に代わるエネルギー源としてケトン体になるためには、肝臓でケトン体に合成する必要があり、どの程度ケトン体が作れるかは人によって個人差があります。MCTオイルも全ての人に効果があるものではないです。認知症の予防が目的であれば、日々の食事の中で食べている飽和脂肪酸の量を減らして、生活習慣の改善をした方が健康に良いかもしれません。

 

その3:殺菌効果

ラウリン酸には殺菌効果があると言われていますが、ラウリン酸ではなくモノラウリンという成分のことです。ココナッツオイルに含まれるラウリン酸は、唾液の酵素の力でモノラウリンというものに変わります。モノラウリンという成分には抗菌作用があると言われていますが、食べた量が全てモノラウリンになるわけではありません。唾液の酵素で変化したものだけですので、モノラウリンになる量は少ない可能性があります。また、モノラウリンの効果を得る前に飽和脂肪酸の摂りすぎになることもあるので、殺菌効果を期待して食べるのはお勧めできません。

 

 

・ココナッツオイルをできるだけ食べないようにする対処法

その1:食べるのではなくお肌の保湿用に使う

健康に良いと思って使っている方もいると思います。食べるのは良くないなら処分したいけど、捨てるのは勿体ないと思った時の対処法としてはスキンケアに使うという方法があります。ココナッツオイルは、食べる以外にスキンケアにも使えますが、アレルギーが出ることがあります。スキンケアに使う場合はパッチテストを行ってから使いましょう。

その2:ココナッツオイル以外のオイルを使う~他のオイルを試してみる~

ココナッツオイル以外にも植物由来の加熱調理もできるオイルはあります。一価不飽和脂肪酸を多く含むものを選ぶのであれば、オリーブオイル、マカダミアナッツオイル、ヘーゼルナッツオイルが良いです。多価不飽和脂肪酸のオメガ3を選ぶ場合は、サチャインカインチオイルが良いかと思います。どんなものに使うかで、オイルを変えてみるのも良いです。例えば、ナッツ甘い香りが好きな方の場合は、マカダミアナッツオイルを試してみるといいかもしれません。

 

その3:ココナッツオイルが食べたい場合は、量を減らす

ココナッツオイルの味と香りが好きなので、他のオイルに変えたくないという方もいると思います。できれば食べない方が良いですが、健康に悪いとわかっていても食べたくなるものは誰でもあります。対処法としては、他のオイルではなくココナッツオイルを使う場合は、使う量を少なくすることをお勧めします。ココナッツオイルを食べたい場合は、男性でも女性でも18歳以上の人は飽和脂肪酸の量が1日の総カロリー7%以下になるようにした方が良いです。

 

まとめ

ココナッツオイルは健康に良いと言われてきましたが、調べてみるとココナッツオイルとMCTオイルの効果が混同されているものがあることがわかってきています。私自身、調べてみて驚いたこともありましたが、健康に良いと言われる脂質は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の2種類だけでした。健康に関する情報は、研究が進んでいくとこれまで良いと言われてきたものが悪いものになることがあります。新しく健康に良いと言われるものが出てきたら、これまでの研究で健康に良いという結果がないものは使わないことをお勧めします。この記事では、ココナッツオイルを食べると健康に悪い理由3つ、ココナッツオイルを食べると健康に良いと言われてきた理由、ココナッツオイルをできるだけ食べないようにする対処法をご紹介しました。

 

 

参考文献:

食事のせいで死なないために/マイケル・グレガー、ジーン・ストーン/NHK出版

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